ん？トリップした？【ぬら孫】2 (ページ12)

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51話ページ12

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夜、奴良組本家

リクオは鴉天狗に柊に何があったのかを調べさせて、その報告を聞いた。

柊は何でそんなに無茶をするのかわからなかった。柊には謎が多すぎるとも思った。
いつも何を考えているかわからない、というか寝てばっかりだし、そのわりにはちゃんと話を聞いていたりと掴み所がよくわからないけど、僕はそんな柊に少なからず憧れに似たものを抱いていた。

だからこそ、柊がやられるなんて思いもよらなかった。きちんと相手を見て物事を冷静に判断できる人だから、とたかをくくっていた。

だから今まで忘れていたのかもしれない。

どんな力を持っていようとも柊は"人間"で、まだ12歳であることを。

僕には妖怪の血が4分の1流れていて、周りには守ってくれる側近達がいる。でも柊は違う。

彼の周りには側近どころか親も昔からいない。ずっと誰にも守られる事なく、周りと積極的に関わろうとせず、そして何より頼る事のできる人が近くにいなかった。

そのくせ誰かが傷付いたり、困っていると放って置けないお人好し。

「柊…」

気付いたら柊の寝ている部屋まで来ていた。

障子をあけて未だに目覚めない柊の側に座り彼の額に手をあてた。

Side change

ん…?──誰か側にいるのか…早く起きないと

『ん…リ、クオ───？』

「え…柊?」

何だ、なんでそんなに泣きそうな顔をしているんだ…?─知らん、というかわからん。

「ほ、ほんとに柊?」

『目の前にいるやつが喋っているのにそれは酷くないか?──というかここって…』

起き上がった後に、ここってお前の家か?─と聞こうとしたらリクオによって遮られた。というかおもいっきり殴られ、壁に背中をぶつけた。──俺、何かした!?というか背中痛い!俺怪我人！

なんか体が重くて動けないし！騒ぎを聞きつけたゼンとリクオの側近達が駆けつけた。

「おい、リクオ!お前怪我人に向かって何を「なんで…」─」