お友達 ページ9
今日の彼は様子が変だった。
何か思い詰めている様で、気のせいかもしれないけど私の方をよく見ていたような。
こんなこと言えないけど。勘違いだったら恥ずかしいもの
「……」
『……』
下校も沈黙が続く。
会話数が多いわけではないけれど、今日は声を出すのも気まずい感じがする。
ちゃんと手振れるかな…
「……満井」
『は、はい…！』
どうしよう変な声出しちゃった…。
絶対笑われる。穴に入りたい…
「…俺って、そんなに怖いか？」
『ぇ…』
「2ヶ月くらい経つのに初対面の時とあんま変わってねぇから…。
怖がらせてたなら悪ぃ。自分じゃ、その自覚が全然なくて」
……もしかして、思い詰めてたのはそれ？
…………私のせいだ……！！！
『違うんです！
轟くんが悪いわけじゃないんです！
……私、臆病なんです……。その……家族以外の人と会話する機会もあまりなくて…。
こうやって轟くんと下校できるの、私はとても楽しいんです。
母親に用意された相手ではなく自分が一緒に帰りたいと思えてる人と、小さなお話をして別れ道で手を振るの、とても好きで楽しみなんです。
なので……轟くんが怖いわけでは……』
怖いけれど、初対面の時よりも怖くない。
そう伝えようとすると彼は手を伸ばし私の手先を握った
「よかった」
『……！』
急に心臓が羽上がる。
綺麗な顔立ちをしている彼が微笑みを見せたときだ
「満井。
俺と友達になってくれねぇか」
『お友達に…？』
「親同士が歪み合ってるから、その子供まで歪み合うっていうのは違うと思う。
姉が言っていた。その通りだと思う。
満井と仲良くなりてぇ」
『……よ、よろしくお願いします…』
夕陽が顔に直当たりしているからか、それとも別の理由か。
じんわりと体が熱くなっていく。
まだ夏というには少し早いのに遠くの方で蝉が鳴く。
今日から私達は友達になった
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ヨシ - 一気に読みました！更新を楽しみに待ってます！ (2018年12月31日 18時) (
レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
秋雨(プロフ) - 鈴木美妃さん» 嬉しいコメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年8月17日 21時) (レス) id: c6df81b2b4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月17日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨 | 作成日時：2018年8月17日 17時
