臆病者 ページ25
テスト結果、1位になれた。
すぅ…と大きく息を吸い、一気に吐き出す。
これでお母さんに怒られずに済む。
勉強も力を入れなきゃ。
1番でなければ気が済まないこの面倒な性格を、自分の子供にまで押し付けようとしていた。
特に私には厳しかった。
どんな些細な勝負でも順位があるものは全て1位を取りなさい。
それが縛りだった。
お兄ちゃん達にもそれを押し付け、渋々、嫌々と1番を取ってきた
「ヒヤヒヤしたぁ…」
「でも嘘でよかったね！」
「合理的虚偽…、おそるべしッ！」
私も皆と仲良くなりたい。
お母さんがいないのだから、少しの会話くらい大丈夫だろう。
そう思っても轟くんとの事があったから、足が前に出せない。
また何処かで見てるんじゃないか。
また辛い想いをするだけなんじゃないか。
脳裏にちらつく彼の顔。
真っ黒に染まり、焼け焦げていく
……ダメ………………怖いよ…ッ
「満井」
『！』
頭に被せられた体育着の上着。
声の主は轟くんだった
「俺がサポートする。
お前は何も気にするな」
どうして優しくできるの…？
顔も見たくないって………、そう言っちゃったのにどうして私に今まで通り優しくしてくれるの？
「俺は今でも好きだから。
お前が俺を嫌ってても、俺はお前を好きでいつづける」
振り向きたい。
今じゃなきゃ、言わなきゃダメ！
「先行ってる…」
『……………………ッ』
臆病者…！
どうして私はこんなにも臆病なの…！
轟くんが勇気を出して前に行っているのに、私はずっと引いたままじゃない！
こんな私、消えてなくなればいいのに━━━━━
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ヨシ - 一気に読みました！更新を楽しみに待ってます！ (2018年12月31日 18時) (
レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
秋雨(プロフ) - 鈴木美妃さん» 嬉しいコメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年8月17日 21時) (レス) id: c6df81b2b4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - ファンになりました。早く続きが読みたいです。これからも更新楽しみにしてます。頑張って下さい。応援します。 (2018年8月17日 19時) (レス) id: 6d5e66c80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋雨 | 作成日時：2018年8月17日 17時
