34.夏の終わりのアナタ ページ34
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カズがいなくなってから、一ヶ月が経った。
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サキ「今日、本社からすっっごいイケメンがくるらしいですよ！」
「えー？イケメン？そんなにイケメン？」
サキ「それはもうアイドル並みだそうで」
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私は髪が伸びた。
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サキちゃんがイケメンイケメンと言うから、どんなイケメンかと思ったら
……イケメンだった。
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翔「櫻井です。本社からやって来ました。よろしくお願いします」
サキ「イケメン…！」
「あれはイケメンだ…サキちゃん」
サキ「はい…」
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サキちゃんは、そんな彼を見て「なんかどっかで見たことあるような…」とか言って笑った。
どこであんなイケメンを見たというのか。
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そんなイケメンを迎えて、私は今日も家路を辿った。
さすがに今日は卵焼きをやめよう。健康的にも悪い。
じゃあ何を作ろう、と家に入って。電気をつけて、冷蔵庫を覗く。
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今日はテキトーでいっかと思った矢先
ピンポーン、と再びチャイムが鳴った。
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「はいはーい！」
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恐らく昨日お急ぎ便で買ったDVDだろうか。私は慌てて玄関へと向かう。
ガチャリ…、と扉を開けば。
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「ーーー…え」
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作り物のようなビー玉の瞳。
ふわふわした髪の毛。
透き通るような白い肌。
背は高くない。
服のセンスもイマイチ。
靴はスニーカー。
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カズ『ーーー…俺、生まれ変わるなら人間がいいなぁ』
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「どうも」
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「隣に越してきた、二宮です」
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これは果たして。
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fin.
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