19.morning ページ19
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「あの日」から、カズはきちんと私がお風呂に入ってる時や。暇なときに充電をするようになった。
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「土曜日！カズ！出かけよう！」
カズ「えー…。めんどくせー…」
「なんですと！」
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シャッ！と勢いよく開いたカーテンから溢れてくるのは眩しい太陽の光。
その光に、カズが卵焼きを作りながら眉間にしわを寄せた。
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カズ「眩しいから閉めて」
「出かけようよー」
カズ「分かったから閉めて」
「眩しいのそんなに嫌い？(笑)」
カズ「暑いのは無理」
「？なんで？」
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私は朝から気分がいい。
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飛びつくようにカズの横に行くと、カズはそんな私を見て苦笑いしてから
「油跳ねるからあぶねぇよ」って私を庇うように前に立ってくれた。
とことん、よくできたアンドロイドだ。
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カズは卵焼きを焼きながら、口を開いた。
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カズ「A、ずっとスマホ使っててスマホ熱くなることない？」
「あー。あるある。ずっと使ってるとね」
カズ「暑いところで使ってると、余計」
「夏とかね」
カズ「それと同じ。俺も熱くなるの。悪いとフリーズするよ」
「えっ嘘」
カズ「うん、嘘」
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へっってビックリして、カズを見るとクククって楽しそうに私を見下ろして笑ってるカズがいて
あ、からかわれたんだって理解する。
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「騙したんだ」
カズ「どこ行きたいのよ」
「んー、ぶらぶらしたい」
カズ「なにその理由もないのに出かける感じ」
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クスクス笑いながら、卵焼きを一つの皿に盛りつけた。朝はカズは私がどれだけ頼んでも一緒に食べてくれない。
アンドロイドにも「朝が弱い」という性能があるみたい。
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「いただきます」
カズ「はいよ」
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ぱちん、と手を合わせて箸を取る。そんな私をニコニコと見つめるのはもう慣れた。
「美味しいよ」と言うと、満足そうに「当たり前だろ。俺が作ったんだから」って言う。
この時間が続けばいいと思った。
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「ねえカズ」
カズ「ん？」
「カズって、いくら？」
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私がそう尋ねると、カズは困った顔になった。
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