11.そういうの専用の。 ページ11
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名前をつけたら離れがたくなる。
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カズ、とアンドロイドに名前をつけたのは
失敗だと思った。
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サキ「まぁた卵焼きですか？」
「いや今日は朝カズが寝坊してね？」
サキ「アンドロイドも寝坊するんですか！？」
「そう。私も朝びっくりしちゃって…」
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ーーー…カズ『ごめん！寝坊した！アラーム機能が落ちてた』
『今から行けばギリ間に合うと思うから大丈夫よ』
カズ『悪ぃけど朝ごはんはコンビニとかで買ってもらえる？』
『全然大丈夫』
カズ『弁当は…、昨日の残り物詰める』
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『いってきます』
カズ『いってらっしゃい』
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ーーー…そう。
朝、カズは寝坊をした。アンドロイドお試し期間、3日目の朝。残るは4日。
こんなことは初めてだった。
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昨日の夜に、食卓に並んでいたおかずの面々がお弁当に飄々と並んでいる。
卵焼きは昨日の夜、私がカズに頼み込んで作ってもらった代物だ。
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サキ「…なーんかセンパイ。お肌に潤い出てきました？」
「えっ！そ、そうかな」
サキ「そのアンドロイドっていうカズさんとシちゃってたり…」
「ぶっっっ」
サキ「汚い！やだセンパイ！お茶吹かないでくださいよ！」
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そう言って、本当に嫌そうに眉間にしわを寄せるサキちゃんは
なんだかんだ言ってハンカチを取り出して、零してしまった私のスカートの上をポンポンと叩いてくれる。
今日、カズが水筒に入れてくれた飲み物がお茶で良かったと心から思った。
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「ごめんごめん……。だってサキちゃんがいきなり変なこと言うから」
サキ「変なことじゃないですよぉ。今時アンドロイドとするなんて普通ですよ」
「普通じゃ…なくない？」
サキ「だってアンドロイド、あれ服の下は人間と同じ機能ですよ？ちゃんとついてるものはついて…」
「サキちゃん！」
サキ「恋愛シミュレーションアンドロイドがあれば、そういう行為専用のアンドロイドもありますよ。ほら、O-1126型とか」
「サキちゃんッッッ！」
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私が恥ずかしくなってサキちゃんを嗜めると、サキちゃんははーい、って笑いながらサンドウィッチを頬張る。
ランチタイムに私たちは例の如く、話を弾ませていた。
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