第15話 ページ15
シルクside
「はぁ…うっ……う」
頭がぐるぐると回り、体がだるい。吐くだけでも体力が消耗される。
「すぅーはぁ………」
東海林 笑美から貰った檸檬を顔に近づける。体に爽やかな香りが入り、全身に行き渡る。
「ははっ……すげぇや。檸檬……」
しばらくしくて、吐き気が治まってきた俺はふと、彼女の事を思い出す。
時計は深夜1時を指しているが、会いに行ってみよう。
なんとなく、そう思った。重い体を起こし、点滴スタンドと共にテラスへと向かった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。「こんばんは」
見覚えのある後ろ姿に声をかけると、彼女は小さくお辞儀をする。
「この間はありがとうございました。檸檬、めっちゃ効きました(笑)」
「でしょ？役に立てたなら良かったです」
彼女は小さく微笑んだ。隣に座るとテラスから見える桜が風に流され、散っていく。
「どんどん、散っていきますね、さくら」
「そうすっね……さくらは早いですもんね…散るの」
「ええ」と静かに答える。暫く沈黙が続いて、何を話そう。話題に困っていると、彼女が寂しそうに語り出した。
「さくらって寂しい植物ですよね」
「寂しい？」
「だって、夏になる前には散って、あんなに『綺麗だ』って言われてたのに忘れられるんですよ？」
「寂しいですよね」と、名前に似合わない笑みを浮べる。「どう思います？」と綺麗な瞳で彼女は俺を見つめた。
俺は数秒考えて、こう答えた。
「俺はそうは思わないかな……」
「どうして？」
「だってさ、夏の前には散ってしまうかもしれないけど
また、春になって、俺らの元に来てさ
綺麗な桜を見してくれるじゃん？
だから、俺はさくらは幸せな植物だと思うな」
言い終わると彼女は可笑しそうに笑った。何処か変な所でもあったかな？
考えても分からない。恥ずかしさのあまり、体から熱が湧き上がって来るのが感じられた。
「素敵な考え方、あたし好きですよ。その考え方」
「あぁ……そう？そう言って貰えると嬉しい」
「はい」と小さく微笑み、彼女はゆっくりと立ち上がった。
「今日はありがとうございました。とってもいいお話が聞けました」
「いえいえ、またお話しましょ？」
彼女は頷きはしなかったが、名前どうりの笑みを浮かべその場を立ち去っていった。
やっぱ、不思議だな………東海林 笑美
「すごいや…シルクさん。」
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カラナギ - 樹←これってなんて読むんですか? (2019年12月14日 14時) (
レス) id: 74cfa316a8 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ！！(プロフ) - ゆなさん» 了解です (2018年7月1日 21時) (レス) id: 4952adb88c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - まちゅ！！さん» ありがとうございます!!!!! 探してみます！ (2018年7月1日 11時) (レス) id: 61a1a5a367 (このIDを非表示/違反報告)
まちゅ！！(プロフ) - ゆなさん» お待たせしました！新しいアカウトですが、「まちゅ@三度目の正直」と、作者検索をかけて貰えれば出ると、思います！だほちゃんのメイン小説なのでキーワードにンダホと書いてあります！ (2018年7月1日 9時) (レス) id: 4952adb88c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - まちゅ！！さん» 了解です!! 新しいアカウントはどうやって見つければ… (2018年6月27日 19時) (レス) id: 61a1a5a367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちゅ！！ | 作成日時：2018年3月3日 23時
