【FHQ】紅の魔法と蒼の魔法

第五章　 森の先〜Hikarinosekai Side〜 ページ9

森を駆け抜けて3日。




空を渡ればもっと早く着いたのだが、残念ながらハジメは空を飛ぶことに慣れていない。



そして3日もかけて たどり着いたのは

薬草作りが盛んで有名な[烏野]




途中、音駒にも寄ろうかと考えたが、妙なオーラが王国から発せられていたので とりあえずヒナタらを迎えに行く事と、Aの左目の視力を戻すためだということだ。



視力がなくなり、ハジメに見破られた左目は旅の途中で赤色が脱色してしまい、今となってはまんまの白目。


なので左目は常に閉じている。




烏野はこの世界の北に有り、回復系の草花の栽培で有名。


家は木で作られており、周りにはいろいろな花が咲いている。


気候は少し寒い。

しかし、そんな気候が薬草の生命を保つのに持ってこいのだろう。


寒い土地の中で生き抜いた薬草が 私らの手元にくる…というのを本で読んだことがある。





私は馬から人の姿に戻り、ハジメと共に探索を始めた。






「まずは…Aの薬草か？」



「いやいや、ヒナタらを探しに行くのがいいよ。
　私らが回復してる間に、出発しちゃうかも知れないし。」




「そ、そうか。」



「さっ、まずは街の人に話を聞いて回るか……ん？」



Aは服が誰かに引っ張られていることに気づいた。


視線を下におろすと、オレンジ色の髪を二つに結んだ女の子が服を引っ張っていた。

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