幻影使い・シミズ〜Castle Seide〜 ページ40
一方、魔族はというと、世界征服の前祝いと共に任命式ということで、魔族の頂点に立つ大王・オイカワの元に集まっていた。
テーブルの上には、豪華な食事が並べられ 人々も和気藹々としていた。
そんな中、玉座に座り肘をついていた大王オイカワこと、トオルは一人の女性に目を留めた。
「ねぇ、あの子誰?」
傍にいたクロに問う。
「あぁ、あの方は魔族の中でも有名なシミズ家のご令嬢ですよ。
なんでも、幻影魔法の使い手で 魔族の間ではこの黒魔導師・クロの次に強いとか」
「ふーん…。」
トオルはシミズを興味津々と見つめていた。
その視線に気付いたのか、シミズ本人からこちらへやって来た。
少し頭を下げると、シミズは言った。
「なにか御用でしょうか。」
「君さ、俺の直属の手下になってよ。」
そう言った瞬間、周りのざわめきが消えた。
「え?」
「だって、皆を招いたのは俺の世界征服を邪魔しようとする奴らを倒すために結成する、魔族軍の指揮隊長を任命するためだったし?」
「っま、魔族軍とは言っても3人〜5人の少数舞台だけどな。」と、クロが説明を付け足した。
シミズは顔を上げていった。
「わ、私のようなものが指揮隊長など 務まるはず…」
「だって、強いんでしょ?幻影使いだって聞いたけど?」
「そ…それは……」
トオルは懲りない子だなぁ〜と、陽気に言うと様子を一変させて赤いオーラをまとうと、低い声で言った。
「それじゃ、魔族の長に弓を引くつもり?」
トオルは立ち上がり、顔を背けているシミズの顎を掴むと自分の顔の方にぐいっと向かせた。
「どうなの?」
そのオーラから発せられる魔力を察し、シミズは折れた。
一歩後ろに下がると、トオルは顎を離した。
シミズは右膝を床につけ、右手を左肩に添える魔族の女性特有の最敬礼をするといった。
「シミズ キヨコ 大王オイカワ様にこの命、御預けします。」
その様子をじっと、会場の隅で ワイン片手にウシワカは眺めていた。
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クロト@関(プロフ) - とても素晴らしい作品です!とっても面白いです!更新応援してます!これからどうなるた楽しみにまってます!頑張って下さい! (2014年11月17日 19時) (レス) id: 0dd27e88b2 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - 咲さん» コメントありがとうございます!!更新頑張りますヽ(´▽`)/ (2014年11月17日 18時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - もう毎日更新されるのが楽しみです!!! (2014年11月16日 19時) (レス) id: bfbd51f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - 桜音さん» コメントありがとうございます!!まだまだこれからですよッ! (2014年11月15日 17時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - Yさん» コメントありがとうございます!!続編行きますので、これからもよろしくお願いします♪ (2014年11月15日 17時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衣咲 | 作成日時:2014年11月7日 19時