暖かい日差し ページ39
散々泣きあった後、下の階に下り、Aに用意してもらった朝食を頬ぼり、家の外に出た。
「そういえばよ…、ここどこだ?」
Aは微笑した。
「ここは、ハジメと戦った村からまっすぐ北へ行ったところ。」
Aはオレが約束の呪文を解かれて、気を失っている間のことを詳しく教えてくれた。
「――で、ウシワカ様は今、オイカワ家の城でパーティーに出席中。
この家は、もともと友人が持っていたのを引き取ったのだから、好きに使っていいって。
まぁ、ハジメの傷が完全に癒えるまで使わせてもらうことにするけど…。」
そこで、少しAの動きがおかしいことに気づいた。
明らかに目の動きが正常じゃない。
こちらをうまく見据えていない。
「お前…目、どうしたんだ?」
「あぁ、これ?大したことじゃないよ…。ただ、左目がね。見えなくなっちゃったんだ。」
「それって…まさか約束の解除呪文で…」
約束の解除呪文は、契約破棄の呪文でもあるため約束の呪文より、莫大な魔力を要する。
体は耐えられたものの、左目だけ耐えられなかったのだろうか。
「う…うん。そうだよ!!」
「本当にそうなのか?」
答えが曖昧なAに更に問い詰めた。
Aは静かに行った。
「治療した時には、ハジメの体は大丈夫だった。だけど、約束の呪文でやられた赤い目だった左目 の視力は無くなっていた。ここまで運んできたけれど、視力を戻す薬はここになくて…。
私の左目の視力を、ハジメに…」
「すまない」
俺はただ謝ることしかできなかった。
「大丈夫だよ!!薬は薬草作りが盛んな[烏野]へ行けば手に入るはずだし!!どうせ後で日向らを迎えに行くときに…あ。」
そこで、Aは思い出した。
ずっと、忘れていたけど。
「アカアシ。」
「?」
「梟谷のアカアシ…。ケンタロウに襲われる前に、先に烏野へ行かせたんだけど…遅いな。」
「俺と戦って何日たった?」
「3日」
「3日ぁっ!!?」
そこへ一匹の鳩が、Aの肩に停まった。
「ん?この鳩…伝書鳩だ。」
Aは括りつけてあった手紙を解き、開いて読んでみた。
段々と顔色が蒼白になっていく。
「どうした?」
「アカアシが…闇の世界へ送り込まれた…!!」
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クロト@関(プロフ) - とても素晴らしい作品です!とっても面白いです!更新応援してます!これからどうなるた楽しみにまってます!頑張って下さい! (2014年11月17日 19時) (レス) id: 0dd27e88b2 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - 咲さん» コメントありがとうございます!!更新頑張りますヽ(´▽`)/ (2014年11月17日 18時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - もう毎日更新されるのが楽しみです!!! (2014年11月16日 19時) (レス) id: bfbd51f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - 桜音さん» コメントありがとうございます!!まだまだこれからですよッ! (2014年11月15日 17時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - Yさん» コメントありがとうございます!!続編行きますので、これからもよろしくお願いします♪ (2014年11月15日 17時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衣咲 | 作成日時:2014年11月7日 19時