【FHQ】赤の魔法と青の魔法

　　　　伝書鳩〜Kuro Side〜 ページ35

クロは闇の世界から帰ってくると、早速Aに手紙を書いた。




アカアシを闇の世界へ送ったこと。





彼女は気付かなかったようだが、アカアシは闇の世界にとっては特別な存在。




しばらくは帰ってこれないだろう。


いや、向こうからは帰ってこれなくしよう。それがいい。





戻る方法は、姫 自ら次元の裂け目へ入り、闇の世界からアカアシを引っ張り出す。







…これがいいな。



この作業もかなりの魔力を要するはずだから、愛弟子でもあったAにとってはいい機会だ。









クロは、王国の西外れにある、大魔導図書館の最上階まで上り、その人気のない展望台に次元の裂け目を作った。





クロは更に伝書鳩にさっき書いた手紙を括りつけると、Aの元へ飛ばした。




「さて…と、今夜は本格的に支配を進めるために、魔族を集めてパーティーだっけか。」





クロは落ちないように設置された展望台の柵に体重を預けると、澄んだ空を見上げた。




「あー、めんどくせ……。」

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