検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:99,619 hit

    仔犬・ケンタロウ ページ29

兄の目を盗んで、一度だけ城を抜け出したことがあった。



その時、すぐ近くの岩場で小さな、傷ついた子犬が震えながら丸まっていた。


「大丈夫?」



そう言いながら、私は仔犬に手を伸ばした。


すると、子犬は急に牙を剥き ヨレヨレになりながらも立ち上がった。



「うわっ、こっこの!!魔法で・・・」


「A、それじゃダメだ。怯えてるじゃないか。」



ハジメは、仔犬と目線を合わせるためにしゃがむと言った。


「こういうのは魔法でなんとかしようじゃないんだ。
 素で相手を受け止めるんだ。そうすれば、必ず相手は自分を…信じてくれる。」




そういうと、ハジメは少しずつ近寄り、仔犬の顎の下を撫でた。



すると子犬はそのまま撫でられ続け、しばらくするとハジメの足に擦り寄ってきた。




ハジメはヒョイと、その子犬を抱き上げると岩場の外へ出た。


私もハジメの後を追った。




あとで気づいたのだが、首からペンダントがかかっていて、それにはケンタロウと書かれていた。


城に連れて帰り、私の部屋で治療を行っているとき、ハジメは言った。




「こいつさ、Aが頭撫でようとして手を挙げたのを、殴られるのだと勘違いしたんだと思う。」


「え?」


「前、俺の村の連中が 何かをいじめてるのを見たんだ。きっと、こいつだったんだと思う」




ハジメは薬が効いて、眠っている子犬を撫でながら言った。



「これからはオレが守ってやるからな。」

    素で受け止めろ。→←    暗黒騎士の正体



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (150 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
164人がお気に入り
設定タグ:FHQ , ハイキュー!! , 岩泉一
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

クロト@関(プロフ) - とても素晴らしい作品です!とっても面白いです!更新応援してます!これからどうなるた楽しみにまってます!頑張って下さい! (2014年11月17日 19時) (レス) id: 0dd27e88b2 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - 咲さん» コメントありがとうございます!!更新頑張りますヽ(´▽`)/ (2014年11月17日 18時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
- もう毎日更新されるのが楽しみです!!! (2014年11月16日 19時) (レス) id: bfbd51f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - 桜音さん» コメントありがとうございます!!まだまだこれからですよッ! (2014年11月15日 17時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)
衣咲(プロフ) - Yさん» コメントありがとうございます!!続編行きますので、これからもよろしくお願いします♪ (2014年11月15日 17時) (レス) id: d660821c40 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:衣咲 | 作成日時:2014年11月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。