対 氷狼 ページ9
「そろそろ行くか……」
Aはサグの背に乗ると、城の屋根に乗り移動した。
暫く屋根の陰に隠れていると、ヨナが出てきた。
「お覚悟を…姫様っ。これも高華国の為なのです。」
下を向くヨナの顔から何かが垂れる。
涙……？
「スウォンッ!!」
ヨナは大きく叫んだ。
しかし、それはスウォンには届かない。
ヨナに剣が振り落とされそうになったとき、雷獣の如くそいつは現れた。
ヨナと話す声が聞こえる。
そして彼はスウォンの方に振り返ると言った。
「絶対服従をする！」
「サグ。行くよ」
Aはサグに乗ると屋根から飛び降り、姿を現した。
「イル陛下を討ったか弟。それは如何なる理由の元だ？」
「……ッ」
スウォンが顔をしかめる。
少し後ろにいるのはケイシュクだということがAには見て取れた。
そして彼の声が響き渡った。
「控えよ下郎。
今より緋龍城の主となったスウォン陛下の御前になるぞ。」
Aは、言い返す。
「ほぉ…言うか。なぜ姉である私が弟に頭を下げねばならぬのだ。
控えるのはそちの方であろう？…ケイシュク参謀ッ!!」
「――スウォン様を裏切った時点でソナタは下郎。
そのようなこともわからなくなったかッ、氷狼・A!!」
氷狼――。
そう言われたAの目は冷たく冴え切っていた。
「――ッ!!」
スウォンサイドの人間が竦んだとき、ハクがようやく動き出した。
「っつーか、どうも嫌な予感がするんですがね。スウォン様。 イル陛下はどこにおられる?」
スウォンが静かに言った。
「――先ほど、私が地獄に送って差し上げた。」
大刀の先を地面に叩きつけた。
石畳が我割れる。
凄い力だ――。
「酒にでも寄っておいでか……？」
「戯言にしては度が過ぎますよ……。」
「ヨナ姫に聞いてみるとよい。
その目で、王の死を確かめられたのだから」
ハクが目を見開いた。
次の瞬間、彼は大刀を振りスウォンへと対戦した。
「サグは身を隠せ。いざとなったら呼ぶ」
『御意』
Aは地を蹴ると一気にスウォンの懐まで飛び込んだ。
「――ッ!!」
ハクに振り下ろされた剣をAは抜刀し、弾き返した。。
「姉上ッ!父上を殺された憎しみをお忘れですか!!」
「しかし、それをヨナ姫は知らなかった!彼女に罪はないはずだッ!!」
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衣咲(プロフ) - 咲さん» おぉ咲さんじゃないですか。いつもありがとうございますっ。ケイシュク参謀の出番が増えることを祈ってます(( (2015年1月12日 15時) (
レス) id: d4d3594d34 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - 衣咲さん!赤青シリーズ全部見てます!暁のヨナも書いてたんですか!僕も暁のヨナのマンガとかアニメとか見てます!ケイシュクさん，確かにカッコイイですよね! (2015年1月11日 22時) (レス) id: bfbd51f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衣咲 | 作成日時：2015年1月7日 9時
