彼が消えて早5年。今私は...12【降谷零・安室透】

450.side降谷 ページ12

「透流、郁流、ほら？ベッドに行こう？？」




「んんぅ...」



「ん...」






ぐしぐし、と目を擦りながらも何とかもう一度目を開けてくれた2人は、ノロノロと靴を脱ぎ初めたもののそのまま玄関にぽてん、と座りこんでしまった。





最後の意地なのか、玄関の外履きの所ではなく1段上がったフローリングに座ってくれた為、澪をベッドに転がしてから2人を回収しようと思い至り、後で並べるからと言い訳をしながら靴をさっと脱いで部屋へと向かう。





5人の時は布団だったが、今日はベッドでも大丈夫だろうと思い澪をベッドの真ん中に下ろせば、むにゃむにゃいいながらにへぇと笑顔を見せる。







その様子に頬が緩み、数度澪の頭を撫でてから玄関で寝落ちた2人を回収へ向かった。





2人の所へいけばいつの間にその体制になったのだろか、座る体勢ではなく後ろに倒れていてしかも2人で手を繋いでいた。






繋いだ手は2人の真ん中に、それぞれのもう片方の手は頭の横にあるという左右対称のポーズに、澪といい透流と郁流といい可愛いがすぎると頬の緩みが止まらない。








思わずパシャリと写真を撮ってから繋いだ手を離すのは可哀想だと2人の正面にまわって繋いだ手をそのままに抱き上げた。







両腕にかかる重さが最後に抱き上げたよりも増えている気がして子供の成長は早いなぁなんて事を考えながら澪の元へと運ぶ。








澪と同様、そっと下ろしてやればうむぅ...と唸りながら少し身じろぎをしてから2人ぴったりとくっついてすやすやと穏やかな寝息をたて始めた。

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