286.side降谷 ページ8
ぼんやりと意識が浮上して、自分が倒れたことを思い出した。
はっと開いた目に映ったのは白い壁で、恐らく病院に運ばれたのだろうということが想像ついた。
「...零?」
ボーッと天井を眺めていれば、横からそう名前を呼ぶ声が聞こえて視線をそちらにむければ、寝ている澪を抱えながらこちらを見ているAの姿があった。
「...A。」
名前を呼べば、ポカンとした表情からハッとした様子でこちらに近付いてきた。
「あ、風見さんとお医者さん、もうすぐ来るからちょっとまってて!!零が起きるの早すぎなんだよもう。...大丈夫??」
眉を下げてそう聞いてくるAに、ふっと笑って頷く。
「大丈夫だ。それより、なんであそこにいたんだ?て言うか、赤井秀一と知り合いだったのか?」
上体を起こしてベッドに座る形にしてから、傍に来ていたAの手を引いてベッドに座らせれば、澪を膝に乗せるようにして促した通りに座ってくれた。
「カジノタワーに避難していたんだけど、モノレール線を逆走してる何かを見つけて。そしたら秀さんが安室くんとぼうやだって言って走り出したから、零が危ないのかと思って思わずついて行ったの。秀さんとはちょっと前に助けて貰って知り合いになったんだ。」
そう話すAの言葉を聞きながら、引くために掴んだ手をそっと絡ませ、所謂恋人繋ぎへと変える。
「突っ込んでった先にAがいて本当に驚いたし焦ったんだ。頼むからもう、危ない事に首を突っ込んだりしないでくれ。俺の心臓がもたない。」
こつり、とおでこを合わせてそう懇願すれば、真っ直ぐにこちらを見ていたAは困ったように笑って目を伏せた。
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るりか - ピクニックのお話のモデルの公園ひたち海浜公園ですかね…? (2022年5月28日 20時) (レス) @page19 id: e53a029b35 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 明里香さん» 両方なおしました!ありがとうございます!! (2018年10月20日 23時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 317話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2018年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 315話に誤字がありました。「言いずらそう」ではなく、「言いづらそう」です。 (2018年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 桜さん» 遅くなりましたがあげました!!続きもよろしくお願いします!! (2018年10月20日 22時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年10月6日 22時