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「...怒ってると言うより、悲しかったんです。ピクニックに行ったり、家で過ごしたり。ずっといなかったお父さんが居てすごく幸せそうな3つ子を見ていて、やっぱりお父さんって大切なんだなぁ...零ともう一度会えて、良かったなって思ってたのに。いきなり関わるなって言い出すし。しかも3つ子の前で。
3つ子は確かにこの歳にしてはかなり賢い方に入ると思います。でも、それでもまだ5歳で親を必要とする年齢です。それなのに、親に...しかも最近漸く会えた父親に関わるなって言われたから...聡い故に、それは父親からいらないって言われたのと同義だと捉えてしまったんだと思います。
3つ子の涙やヒュッて息を飲む音が聞こえて、気がついたら零を叩いてしまっていたんです。だから怒ってはいないし、3つ子の心のケアをしっかり出来たなら大丈夫です。それに、私も謝らなきゃ。」
高橋くんにそう言って小さく笑えば、突然ぐいと後ろから引っ張られ、逞しい腕に捕えられた。
「ごめん、A。ほんとにごめん。Aや3つ子といる所を、危ないヤツに見られていて...距離を置いた方が安全だと思ったんだ。ちゃんと、俺が守るって決めたのに頭やられてたとはいえ、また遠ざける所だった。」
そう言って、後ろから抱き締めつつ首元に顔を埋めてくる零に、私も言葉を返した。
「私も、叩いちゃってごめんね??」
そう口にすれば、零はグリグリと首元頭を擦りつけてくる。声を掛けて腕を緩めてもらい、後ろから抱き締められていたのを正面に変えて、私も零の背中に手を回した。
「...降谷家、マジで尊い...」
「とうとい??」
「そうだぞ、澪ちゃん!!尊いだ!!!」
「とうさんとかあさんは、とうといんだな?」
「あの二人もだけど、君たちもだよ!!5人全員尊い!!ほら、3人とも、あの二人の足にギュッてしておいで??」
少し遠ざかってこちらを見ていた堂上さんと高橋さんが、3つ子にそう声をかけたのが聞こえて、もうすぐ足元に来るだろう3つの衝撃に、思わず笑みが浮かんだ。
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るりか - ピクニックのお話のモデルの公園ひたち海浜公園ですかね…? (2022年5月28日 20時) (レス) @page19 id: e53a029b35 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 明里香さん» 両方なおしました!ありがとうございます!! (2018年10月20日 23時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 317話に名前変換出来ていない箇所がありました。 (2018年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 315話に誤字がありました。「言いずらそう」ではなく、「言いづらそう」です。 (2018年10月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 桜さん» 遅くなりましたがあげました!!続きもよろしくお願いします!! (2018年10月20日 22時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年10月6日 22時