彼が消えて早5年。今私は...8【降谷零・安室透】

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「パパ、ママ、なにしてるの？？」





「みお、あれはいちゃいちゃしてるっていうんだぞ！！！」





「そっとしといたほうがいいとおもう。」






そんなことを言いながら此方に駆け寄ってきた3つ子に、女性2人組の視線が釘付けになる。





そして、此方と寄ってくる3つ子を往復させた後、子供...しかも可愛い...と呟かれた。






「おねえさんたち、パパとママのおともだち？？」





「ちがうよ。おとうさんにさきにこえかけてたから、ナンパっていうんだよ。」





「ナンパ？？」





「おとうさんをデートにさそうこと。」






「とうさんにはかあさんがいるのになぁ。」








「じゃあパパうんっていわないからしっぱいだね！！！」






容赦のない子供たちのやり取りに、顔色を悪くした2人組は、じゃあ、私たちはこれで...といってそそくさといなくなってしまった。







それを見て、思わず零と顔を見合わせて苦笑いをしてしまったのは仕方の無いことだろう。3つ子の無邪気さがそのまま容赦のなさにシフトチェンジしてしまっていた。あれは少々可哀想だった。







まあ、しょうがないよね。と切り替えた私は、3つ子にあーって口を開けて？と声をかけた。






不思議そうに首をかしげながらわざわざちゃんとあーっと言いながら口を開けた3つ子に、クスリと笑っていて買ってきたカステラを放り込む。






それを咀嚼して、パァーっと顔を輝かせてひとつ食べきり、またパカリと口を開いた3つ子にふふ、っと笑いながらもう一度放り込んでいく。







すると何を思ったのか、零までパカリと口を開いた。それを見て笑いながら、3つ子にしたように放り込んでやれば、零は咀嚼した後ちょっとムッとした顔を見せた。









「...いいだろ？俺だって食べたかった。」






そう言ってそっぽを向いた零に、3つ子と顔を見合わせてから笑う。








その後零は、3つ子達から順番にカステラを食べさせて貰うのだった。

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