彼が消えて早5年。今私は...8【降谷零・安室透】

297. ページ19

色とりどりの花が咲いている道をはしゃいでまわる3つ子とハロ。






零は、その様子を携帯でひたすら激写している。








「パパ！！こっち！！！」





「おかあさんもはやく！！！」







「あっち、なんか白いのあるぞ！！！」






フラワーガーデンにそって作られている道を私達よりも先に進んでいた3人は、不思議そうにそんな声を上げて、白いの、と指さしていた方へ進んでいく。







一瞬で通り過ぎたフラワーガーデンに、零と目を合わせて苦笑しながら、その後を追いかけた。







白いものはきっと、ぴょんぴょんたまごという名前の場所だろう。






「かあさん！！！これ、あそんでいいの！？？」




白いふわふわしたドームに近付いて、キラキラとした視線をこちらに向けてくる3つ子にGOサインを出せば、一目散に走り出した。





透流はちゃんとハロのリードをこちらに渡しに来てから郁流と澪の後を追いかけていく。








置いていかれたハロは少しだけしょんぼりしたように見えたけど、零と私でわしゃわしゃと撫でてやればパァーっと嬉しそうな顔をしてその場を駆け回り始めた。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



30分くらい経って、3つ子が満足気にこちらへよってきた。






只でさえ3つ子故に目立つというのに、容姿的にも目を引く3人は、周囲の視線をかっさらっている。





「パパ！！」




澪が零にそう言って駆け寄ってくれば、自然と3つ子を見ていた周りの視線は私と零に集まる。





それに苦笑しながら、零が手を広げて駆け寄ってきた澪を抱き上げれば、その後ろからついてきていた透流が、俺も！！！と抱っこを強請った。





零がはいはい、と言って透流を抱きあげれば、郁流はそっと此方に近寄って来た。

298.→←296.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す