夢みたいな現実。10 ページ10
「まんば、広間に行くよ」
「…ああ」
一刻も早く皆に伝えなければ。
現在の時刻は午後四時。
見習いさんが遅れて来たので、すっかり遅い時間だ。(本当なら今まだ二時)
スパンッ
「えっ?」
「すまんなぁ。盗み聞くつもりはなかったんだが…」
聞いてたのか…いつもならお仕置きやってるけど、今回は助かった。
襖開けたらみんな揃ってるんだもん。鶴丸ナイス。
「いや、今回だけはありがとう」
「今回だけは…か…」
「それであるじさま、なんのおはなしですか? これは」
「うん。今剣、皆、今から話すね」
皆の言葉を代弁して今剣が質問する。
皆もそわそわしているみたいで落ち着きがない。
「…見習いさんの、ことなんだけど」
私は見習いさんについて疑問に思ったこと、不思議に思ったこと、
__乗っ取りが怪しいこと。
それでも悪い子ではなさそうということ。
全て話した。
「そんなみならい、ぼくはしんじられません…!
もしもあるじさまになにかあったら…」
ここにいる皆がそう答えた。
ある一人を除いて。
「…前田? どうしたの?」
「っ! な、何でもありません…!」
前田藤四郎は私の本丸の初期鍛刀。
私もよく知ってる。
嘘をつくような子ではないはずなんだけど…よし、後で個別に話を聞こう。
「でも私が一番困ってたのはね、夕食のことなの」
「そーいえばそうだね。歓迎会どうするの?」
「それを今から決めるんだろ?」
「あ、そっか」
この緊迫した場でも蛍のキャラはぶれない。
これで明石がいたらどうなってるんだろう、来派。
じゃなくて!
見習いさん呼ぶにしても今の皆に会ったら殺されかねない。見習いさんが。
どうしよう…
「歓迎会はした方がいいだろう。じゃないともっと怪しまれるぞ。
見習いは馬鹿には見えなかった」
「そうだな…なるべくいつも通りでいいんじゃないか?
出来ない奴は引っ込んでればいいだろ」
てことで決まった。
歓迎会はやる!
なるべくいつも通り!
皆が皆できるかなぁ……そこが心配だけど…
「しゅ、主君…後でお話良いですか?」
「うんいいよ。夜こっそり私の部屋へおいで。
くれぐれも一期には見付からないようにね」
「…はい」
___この時、誰も気づくはずはなかった。
この世界での乗っ取りがどれだけ、悲しいものか。
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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時