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夢みたいな現実。50 ページ50

「こ、小慣れてるって……」


そうなのだろうか。
初日にあんな事があったから、てっきりまだ信用とか、されてないと思ってたんだけど……

でも、そっか……信用して、くれてたのか。


「……どう? 貴方の疑問は全部晴れた?」


相変わらず、ふふ、と笑っている審神者様がそう聞いてきた。


「はい、取り敢えずは分かりました」


そう、取り敢えず、分かっただけなのだ。
なにせ私は “不思議なこの世界” にきてまだ二日目なのだから。
これが夢だろうと現実だろうと、軽率は行動は出来ない。 一歩間違えれば首が飛ぶんだ。

審神者様も、刀剣男士の皆も、なんで一日でここまで豹変してしまったのか。
理由も分からなければ、心理を読み解くことも私には出来ない。

だからこそ、よく見なければ。
小さい頭で少しは考えて、行動を起こさなければ。
二日目でこの好機を逃す手はない。



これで審神者様の用事も済んだだろう。


「では、これで失礼しても?」

「あ、うん、大丈夫だよ」


私は明日の準備や予習をするために早足で離れに戻った。









「……ふぅ。 どう思う、まんば?」


そう言うと、部屋の影になっている所から徐々に姿を現す人影。



「どうもこうも、様子を見ると言ったのはあんただろう」

「そうじゃなくて、冷静に見た見習いさんを、どう思ったかを聞いてるの」



「…………似ていると思った」

「……誰に?」

「……だが、時折見せる表情は、何だか無機質な感じがしたな」


誰がとは言わない。 それは彼の配慮だったのだろう。
だがそれがまた、私の心を抉る。

一昨日の夜の事があってから、やっぱり皆少し変だ。
前田やまんばが言ってたように私と見習いさんが “同じ” っていうのも引っかかるし、かと言って見習いさんが何かを企んでるようには見えない……

確かに、見習いさんが時折見せる無機質な表情や言葉には、覆い隠せない恐怖を感じる時がある。




「……明日、何か分かるかな……?」


ギラギラと光る太陽に照らされた部屋の隅っこで、そんなことを思った。

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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時

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