夢みたいな現実。34 ページ34
なんとなーくそこら辺の資料を読み漁って目が痛くなり始めたころ、この部屋にも時計がないということで仕方なく長い階段をもう一度登る。
「……っ、だめだって…身体おばあちゃんなんだからもうちょっと親切な設計にしてもらわないと、階段の途中で死んでるかもしんないぞこれ……」
はぁはぁと息を切らせながらやっとの思いで地上に繋がる門?扉?に到着する。
………心做しか隙間から光が漏れている気がする。
息を整えたあとに思い切って開けると、思いのほか外は明るくなかった。
なんと言うか、まだ日が上り切ってない微妙な明るさと言うんだろうか。
そのせいか少し肌寒い。薄着で来たのが不味かったようだ。
「さっぶ…早く室内入ろ」
さすさすと肩を擦りながら早足で暖かいであろう離れの中へと急ぐ。
案の定室内は暖かく、まるで暖房が付いているかのようだった。
「ふぃ〜あったまるぅ〜! もうこの温かさは反則だよねー」
と、靴を脱ぎ、数歩足を進めると
__ガタン
………………………………………。
うーん、なんかの聞き間違いか。なんだなんだ良かった良かった。
数秒固まったのち、ゆ〜っくり周りをこれまたナマケモノほどゆ〜っくり確認すると、自身の鼓動をしずめるべく言い聞かせるように心の声で言う。
だがそれも裏切られる。
ヒソヒソ…ヒタヒタ…
今度はちょっとした話し声と廊下を歩くような音まで聞こえる。
「(…えっ、ちょっと待って! どういうことどういうことどういうこと…!? 頭の整理が追いつかない…!!)」
そうしている間にも話し声と足音は着々とこちらへ近付いて来ている。
後ろは扉。前はリビング(?)に繋がる扉。だが、その途中の左の曲がり角からなのだ。
………どんどん幽霊が近付いて来ているのが分かるのは。
「(えっ!? まさか人ってことはないから確実にゆうれ……いやっ!! 絶対違う!! ゆ、ゆゆ幽霊なんてじっじじ実際に存在するかどうかも分からんし!!)」
そうだそうだと言い聞かせるけれど、身体は段々と沈んでいき、ついにはしゃがみ込む形で耳を必死に塞いでいた。
怖い。
というのが本心だが、これを口に出すとさらに怖くなるのできつく口を結ぶ。
「(…やばいこれ、もうそこまで来てる……死亡だわ)」
と、諦めかけた時。
「あ、あの……大丈夫ですか? どこか痛いところでも…?」
___天使の声が聞こえたのである。
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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時