【刀剣乱舞】一期一振は私に触れたい (ページ2)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:34,850 hit

偵察力ページ2

Aside

子供の姿になってしまった訳だが

未だに現状が飲み込めずにいる

何が原因でこうなったの？

私の本体に異常は？

そもそも元に戻れるの？

冷静に考えようと思っても

思考はどんどんマイナスの方向へ行ってしまう

とりあえず、体に支障はないかどうかを調べる為

手をグー、パーと交互に繰り返したり

軽く跳んでみたり等

細かい動きから体全体の動きまで確かめた

痛いところとか、動きが鈍いところもないから

特に問題はなさそう

ただ…

『本体には異常がない…

この姿だと振りかざすどころか、持ち歩くのも

難しい…』

参ったな、と

今の体には余りにも大きすぎる本体を抱え

ため息をついた

.

ふと、最悪の展開が頭をよぎる

.

『………捨て、られる？』

だってそうじゃないか

私達は歴史を守る為に顕現された

役にたたない刀剣がいるなんて、許される筈がない

いや、でも…

きっと主殿は捨てるなんて、そんな事しない

主殿は優しいお方だから

だとしても、政府にバレたら？

＂刀解して下さい＂とでも言われたら、私は…

『っ………、なんとか、しないと』

まずは元に戻る方法を考えて、それから………

.

トントンッ

『！！？』

襖を叩く音が聞こえ、勢いよく振り返る

燭「Aちゃん

お粥だけでも食べた方がいいよ

作ってきたんだけど、どうかな？」

駄目だ

今、この姿を誰にも見られてはいけない

燭「Aちゃん？」

私は急いで、押入れの中に身を隠した

燭台切殿に、心の中でごめんなさいと謝りながら

燭「入るよ？………あれ、居ない」

どこに行ったのかな、と

私の部屋から離れて行った燭台切殿

その後も、私は怖くて

ずっと押入れの中に隠れていた

途中で、もう一回燭台切殿が

続いて一期一振殿、膝丸殿に江雪殿まで部屋に来た

きっと私を探しているのだろう

ごめんなさい、迷惑かけて

でも見られたくないんです

『………どうしよう…っ…』

頭の中がごちゃごちゃになって

どうしようも出来ないのが怖くて、涙が出てきた

.

.

すると急にトンッ、と襖の閉まる音がした

『(！…誰か、入ってきた…？)』

.

.

「何があったかはよくわからないけど

隠れてないで出ておいで

僕の偵察力、舐めてもらっちゃぁ困るよ」