私がアイドルになるまでの物語(仮)

１９話 ページ22

私と琴ちゃんは他の練習生の邪魔にならないように端っこによって座る



琴「はい、今悩んでることは？」


『…ホンギさんに何にも面白くないって言われたことが
結構引っかかってて、頭の中ぐるぐるして、色々考えてたんだけど
どうしたらいいパフォーマンスができるんだろって思って…
スキルが足りてないのに誰の目にもとまらないんじゃ、私は誰にも見つからずにいなくなっちゃうなって』



琴「……Aちゃん、今楽しい？楽しめてる？」



楽しめてない、せっかくのこんな大きなオーディション
精一杯楽しみたいのに、心とはうらはらに現実が襲いかかってきて全然楽しめていないのだ





琴「楽しんでるAちゃんが好き
クラス分け評価前の練習でね、楽しそうにパフォーマンスするAちゃんから
目が離せなくなること何回かあったんだよ

私にとってはAちゃんの存在が天性の魅力なの」




『……へっ！？』



びっくりした、琴ちゃんからそんなこと言って貰えるなんて




琴「きっと、国民プロデューサーにも同じ人はいるんじゃないかな
あとは他の練習生の子に何か褒められたことないの？」



Aさんの歌、私好きです！
　 なんと言うかまっすぐで暖かくて…




そういえば文寧ちゃんは、ものまねだから上手いとかじゃなく
本質的なところに向き合って褒めてくれたな




『ありがとう琴ちゃん！！私再評価めいいっぱい頑張れそう！』



琴「うん、よかった！」



それにしても、私は琴ちゃんに助けて貰ってばかりで
私は琴ちゃんに何もできてっっつ！？！？


『…琴ちゃん！？』


琴ちゃんにデコピンされた、普通に痛かった…


琴「Aちゃん、琴ちゃんに助けて貰ってばかりで
私は何も出来てないなって考えてそうだったから」


エスパーかな？？？




琴「Aちゃんが頑張り続けてくれるだけで
負けてられっか！って頑張れるから私はそれだけで充分だよ
ライバルだからね！」



…琴ちゃんにはやっぱりかなわないや

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