きみの隣に (ページ3)

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良からぬ出会い J ページ3

「先輩、俺らと話したこと無かったのに2年ぶりに会ってよく分かりましたね!!｣

そう、俺らと翔先輩は話したことは無かった。
ただ、やっぱり俺らは1年の時から目立ってたし、先輩も地元の大きな病院の長男で模試では毎回全国1位。生徒会長もこなしてサッカー部のエースでもあったから隣町にもファンがいるほどの人気ぶり。

だから、認識はお互いにあったにしても
2年も経てばそれなりに外見も雰囲気も変わるはずで。

｢いや、2人ともだいぶ垢抜けたけど全然変わってないよ。
こんなオーラ出まくりの2人忘れるわけねぇだろ(笑)
周り見てみろよ、みんなお前ら見てる(笑)｣

そう言われて周りを見れば俺らの周りに人が集まってる。

｢私たちじゃなくて、きっと先輩のこと見てるんですよ(笑)｣

俺の言葉には顔を赤くするのに、こういう人に囲まれるのは慣れているのか、すぐに冗談に変えて先輩と話し出すA。

｢んま、確実に俺たち3人だな(笑)

そういや、お前ら何学部行くの？」

｢先輩と同じ観光学部ですよ。
俺らここ第一志望なんで。｣

｢じゃあ後輩になるわけだ！
お前らなら、絶対合格するな。

高校じゃ話せなかったし、大学入ったら仲良くしようぜ！｣

｢翔先輩ありがとうございます。
絶対合格しますから、色々教えてくださいね!!｣

Aが笑顔でそう言うとに先輩は少し目を見開いてから、優しい顔をした。

俺は、人が恋に落ちる瞬間を初めてみた。
暑くてジメッとしているのに、ここだけは爽やかな風が駆け抜けたような。

これは一生忘れることの出来ない出会いのひとつめ。
この日俺らは4人の人と出会う。
そう、6人にとって忘れられない出会いの日。