きみの隣に (ページ1)

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ずっと一緒にいる人ページ1

今まで、そんなに努力しなくてもなんでもある程度のことができた。
勉強も運動も。家は、割と有名な不動産屋。
それなりに、モテた。

私の隣には、生まれた時からずっと一緒の潤がいて
潤も勉強も運動もできて、かなり顔のつくりがいい。
家は代々伝わる老舗の和菓子屋。

潤と私は、誕生日も同じ。
家はお隣さん。
部活は、同じ弓道部。
趣味も趣向も同じで、旅行、音楽、映画、ファッション、料理、登山...
ほんとにそのままの意味でずっと一緒にいる。

「A！！
そろそろ、行くぞ。」

今日はオープンキャンパスに行く日。

私も潤も上に兄がいるから、後継ぎについては考えなくてもいい。
だから、趣味の延長線上から、二人で外資系のホテルを作ろう!!
なんて言って、同じ大学の観光学部を受験することに決めた。

｢はーい！！
あっ!!潤のブレスレットお揃いの私も付けてくーっ!!」

「恋人じゃねえんだからさ。」

そんなこと言いながら、お揃いのブレスをつけて潤のいる玄関に私が行くと
顔赤くしながらも

「お前、今日も可愛いよ。」

なんて言って、手を差し出してくる。

恋人ではない、幼馴染。
潤の気持ちは正直、わからない。
私も、潤ならずっと一緒にいてもいいとは思うけど、恋愛感情として好きかと言われるとわからない。
でも、それなりにそういうことに興味はある。
キスも身体を重なることも初めての相手はお互いに潤であり、私だった。

そんな私たちはこれから、恋愛という難解複雑なものにのみこまれていく。