心のない君に【Undertale】

22 謎の男 ページ23

｢そいつはな…まぁ俺の知り合い、なんだ。｣

｢サンズの知り合い？｣

｢そんなもんだ
そいつは普段は姿を現さないんだ。
多分今もこの話、聞いてるな…｣

姿を現さない？
でも、話を聞いてる？

｢よ、よくわかんないけど…
その うぃんなんとかってどんな人？｣

｢ガスター でいいと思うぜ
そいつは目的のためなら手段は選ばない。
きっと今も、お前を探してこの地下世界に漂ってんだよ｣

ただよってる…

｢空気みたいだね？｣

｢あぁ。そう思った方がいい｣



それじゃあどっちにしろ私は…



サンズはまた何か考え込むようにした後、

｢よし。じゃあこうしよう｣

何か思いついたようだ

｢会いたい友達がいたら、
こっちに来てもらう。
そしてお前さんは、スノウディンから出るな｣

スノウディンから…

出ない。


｢そんなの、嫌だ けど…｣


嫌だけど怖い

得体の知れない人物が自分を常に見ている…

他の皆と遊べる機会が減る…

なにより



フラウィーと一緒に遊びに行けない…



もっとたくさんしたいことがあるのに

自分でも知らないうちに勝手にソウルが注がれて…

知らない誰かにそれを狙われて…



…



ﾎﾟﾝ

頭に手がのせられた

｢おいおい、そう泣きなさんな｣

目頭が熱くなっていた
呼吸も苦しくて、視界が歪んで

いつの間にか泣いていたらしい

｢うん…でも…
でも、私、怖くて｣

｢大丈夫だ。
お前さんには俺や兄弟、トリエルの奥さんに
アンダイン…
メタトンやアルフィス、アズゴア王…

そして小さなナイトがお前さんにはついてる｣


｢！！｣

そっか。

旅の間ずっと私の側にはフラウィーがいた

ずっと隣で助けてくれた



出会った時から既に決めていたのかも

既に決意を抱いていたのかも



私は心がないフラウィーを救いたい

最初に出会った時のあの可愛さ

それと、哀しさ…



光のなかった真っ黒な瞳
悪魔のようなあの表情
虚ろな笑い声

それを変えたかったんだ。

サラを救えなかった私の、命懸けの 償い




心のない君に 私の心を

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