わたしの家族

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ryosuke side


朝練が終わって、教室へ向かう

まだ、A来てないか


この時間は裕翔とおしゃべりタイム
中身はないよ、覚えてないくらい
小中高ずっと一緒だかんね
もう、話すことないわ笑


、、、、あと5分か

裕翔「そろそろかな、A」

「んー、多分」



裕翔とAも仲良し
Aの入院中もよく一緒に病室に行ってた




"ガラガラガラ"

あ、来た

一瞬俺を捉えた視線はすぐにそらされ
ゆらゆら揺れる瞳に不安がつのる

中学生のときの"あの日"を思い出す

おぼつかない足どりで
やっとのことで席についた

クラスメイトがいなければ
すぐにでも倒れてしまいそうな、ギリギリを保っているように見えた

裕翔も心配そう


マスク越しでも分かるくらい呼吸はあらくて
下を向いて
目はぎゅって瞑っていた

ひどくなってる

きつそうで、苦しそうで
Aが、また、どうかなっちゃうんじゃないかと怖くて。


机の上で固く握られた手のひらに優しく自分の手を重ねて



「A、保健室、行こ？」



でも、Aはゆっくり顔を上げて
その目にはたっぷり涙を溜めていて

首を横に振った

A「、、、だい、じょぶ、だよ

ちょっと座っとけば、よくなるから、、、」


視線を俺から横に移して

A「裕翔くんも、おはよ」

って言って力なく微笑んだ

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