【原神】無表情の私とホムンクルスの君【アルベド】 (ページ9)

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8話ページ9

幼い頃の夢を見るのは、何度目だろう。
アルベドさんの拠点にお礼を書いたメモだけ残して、私は雪山を下山する。

途中で、何度かファデュイやアビス団に遭遇したが、難なく下山することが出来た。
降りた頃には、すっかり真っ暗になっていたが、野宿するにも何も道具を持っていないため、早足でモンド城へ向かう。

帰り着く頃には0時をまわっていて、こっそりと騎士団の扉を開ける。

さすがに起きてないだろうが、団長の部屋をそっと開けて覗く。

ジンさんは、難しい顔をしながら机とにらめっこしていた。
そして、途中でそわそわし出し、窓の外をながめる。

普段の毅然とした団長らしくない......悩んでる様子だった。

ふと、気配を察知したのか、バッと振り向くジンさんと目が合う。

ジン「A.....!?」

『あ.....えと......遅くなった上に依頼されてたものすら入手出来ず帰ってきてしまってごめんなさい。罰でも何でも受ける覚悟は出来てます。』

ジン「何を言ってるんだ。Aの無事の方が大切に決まっている。ワーグナーには私から話をしておこう。星銀鉱石のことも気にするな。」

そう言うと、ジンさんは私をギュッと抱きしめる。

ジン「生きててくれて、本当にありがとう。」

『......駄目ですよ。任務に失敗したんだから.....ちゃんと叱らないと......私、どんどん駄目になっちゃいますよ.....』

ジン「むしろ、頑張りすぎだ。成功しても、Aが生きてなかったら意味が無いだろう.....。」

やさしい手で、私の頭を撫でる。

ジン「しばらくは休め。今は特に大掛かりな催しなどもない。休暇を取るには今が1番だ。」

『アルベドさんのおかげで十分休めました......』

そう言って断ろうとするが、ジトリという目付きで私を見つめながら「団長命令だ」と言われる。

『わ......わかりました......』

ジンさんの圧力に負け、仕方なくそれを受け入れた。