19話 ページ20
目が覚めると、朝日が差し込んでいて、何か暖かいものに包まれていることが分かる。
まだ、頭もぼんやりとしていて、視界も少しぼやけている。
ぼやけた視界と頭がはっきりしてきて、暖かいものの正体に目を向ける。
『!?!?!?』
声にならない叫びを上げる。
そう、今私はアルベドさんと添い寝をしている。
ソイネ?soy?大豆?
いやいやいや......。
うん。気のせいだ。
寝よう。寝て起きたらきっと夢だったことになるさ。
そう言って再び寝に入ろうと思ったが、
アルベドさんと目が合う。
ん???
目が合う?????
『ぎゃーーーー!!!』
思わず近くにあった枕をアルベドさんの顔に押し付けて、ベッドから転がり落ちる。
『なななななななんで一緒に.....そそそそそそいっ』
アルベド「何でって、昨日のあの後、君が離してくれなかったから。」
昨日。そう言われて思い出す。
自分の醜態を。
『......こ、殺してください。』
アルベド「断る。」
ヒィン。
どうにかして無かったことにしたい。
恥ずかしすぎる。穴があったら入ってそのまま封印されたい。
璃月に行けば仙人が封印してくれるかな。
遠い目でそんなことを考えていると、アルベドさんがクスッと笑う。
『何笑ってるんですか?』
アルベド「いや、キミって実は感情豊かなんだなって。」
そう言われてハッとする。
『え、私今笑ってました?』
アルベド「うん。」
あの頃から、怒ったり、笑ったり、泣いたり。
そう言ったものをすることさえ忘れて、一人で歩いてきた。
幼い頃からずっと、表情を変えることが苦手だった。
とくに表情が変えられなくて困る。という事も無かった。
この人は。
わたしの忘れかけていたものを、見つけてくれた。
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作者名:ウォシュレット | 作成日時:2021年12月7日 6時