Symphony11【病系】【短編集】

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桃side









「 いただきまーす 」


夜中にパンケーキ

罪悪感で胸がいっぱいだが、バニラの甘美な香りには逆らえない




「 おいひぃ〜！ 」


ホットケーキにバターを塗って、バナナとイチゴ。メープルシロップ。それに、ダメ押しのバニラアイス

美味しくないわけが無い



莉犬は大きくパンケーキを頬張って、アニメみたいに頬を持って美味しいと幸せそうに言った




「 うまｯ 」

「 美味しいね 」


あっという間に1枚ぺろりとお互い食べ終わってしまった





「 ふぅ、、腹いっぱい 」

「 俺も 」

「 眠くなった？ 」

「 なんない 」


莉犬の顔を覗き込むように見れば、ここ最近で一番顔色がいい気がした



「 ……熱下がったかもな 」

「 、確かに…… 」


おでこに手を置けば、その勘は確信に変わる






「 さとちゃんのおかげだよ 」

「 ふっw なに急に 」

「 、いつもありがとう 」


ここ最近熱でふにゃってる莉犬しか見てなかったから、きりっといつも通りに戻っている莉犬にはなんかちょっと恥ずかしさを感じる

それと共に、張っていた気が緩んだのか大きな欠伸が出た



「 俺の咳で起こしちゃったよね？ 」

「 んなことない、 」

「 俺片付けやっとくからさとみくん先寝てていいよ 」

「 いや、いいよ。一緒にやろうよ 」


病み上がりで無理させてまた熱をぶり返すなんて何度やった事か

俺はもうそんなミスはさせない




「寝てて」とうるさい莉犬を押し切り結局2人で片付けまで終わらせて、シャワー浴びたいという莉犬をウトウトしながらリビングで待った



「 過保護。俺子供じゃないんだけど 」

「 知ってるわ、がきんちょ 」

「 俺は大人です 」

「 はいはい、 」


ぎゃーぎゃー言いながら、数時間前とは比べ物にならないくらい元気になった莉犬を部屋まで送る





「 おやすみ 」

「 おやすみ 」


おやすみを言い合って、彼が部屋に入るまでしっかり見届ければ俺の任務は終了

その次の日は、もう泥のように眠った







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罪悪感はバニラの香りがするらしい−fin.


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次回はシリーズもの OUR HOMEep.3です🏠

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