Symphony11【病系】【短編集】

147_人情味【黄×橙】 ページ41

▶︎ストレス、嘔吐(苦手な方はお控えください😌)
━━━━━━━━━━━━━━━

橙side









「 俺はこっちにしたい 」

「 えぇ、絶対こっちの方がいいよ 」

「 それだと演出が片方に偏るって何回も言ってんじゃん 」

「 じゃあそれをどうにかすればいいんでしょ！？ 」

「 どーするんだよ、俺の案にすればいいだろうがよ 」


リハーサル室に響くさところの言い合う声

珍しく意見が割れ、お互い折れずムキになってる


そりゃあライブのこととなれば、りすなーさんをどうすれば1番楽しませられるかって真剣に考えるものだけど…





「 なんか2人大丈夫？珍しいね 」

「 んな、 」


意見が割れてるのはさところ曲での演出の話だから、無理やり俺たちが入るところでは無い

そう分かっていても、2人の険悪なムードは全体リハーサルの時も続いていて、流石の俺らも少しきまづいんだ




「 上手いところでまとまればええんやけどね 」

「 今んとこそれは難しそうだね 」


2人の様子を見守りつつ莉犬と苦笑いをうかべた





.





「 みんなでご飯行きましょうよ 」


リハーサル終わり、るぅちゃんが放った一言

一瞬みんな、「え？今のこの険悪ムードで？」みたいな空気感になったが、るぅとの考えを察知したように莉犬が「いいね！いこいこ！」と声を上げた





「 いーな！いこう！な！ころん！ 」

「 …ぅ、うん。いいよ、 」


ころんがYESと言ってくれたことに、ころんの隣に座っていたるぅとの顔がぱあっと明るくなったのが分かった



「 さとちゃんは？ 」


静かに携帯を触っていたさとちゃんを莉犬がちょんとつついて言う




「 ……あー、いいわ。みんなで行ってきな 」


一瞬ころんの顔を確認したさとちゃんは、そう言って荷物を持ち帰ってしまった








「 …………しょうがないね！じゃあ4人で行こうっか、 」


さとちゃんが出ていってしまったドアを見つめていた莉犬がこっちを向いて、声をはりあげ言う



「 、そうやな！ 」

「 ……ごめん、やっぱ僕も帰るわ 」


そう小さく呟いたころんも、さとちゃんに続くように帰っていく






そんなころんを引き留めようと、伸ばしかけた手を引っ込めて、膝の上で小さく拳を握るるぅとを俺は見逃せなかった







.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す