Symphony11【病系】【短編集】

144_なぁ、相棒【水×桃】 ページ31

▶︎持病(⚠︎死ネタです．自己責任でお読みください)
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桃side









「 はぁ、はぁ、はぁっ、、！ 」


こんなに走るのはいつぶりだろうか

マフラーに厚手のアウターを身にまとって歩いている人たちの横をすり抜ける


こんな自分は白い息を吐きながら、着ていたアウターは手に抱えニットの袖を肘まで捲りあげ走る

頬に冷たい風が当たるが寒くは無い






「 ……っおい、！ 」


到着した先は病院

もう何十年間は来ることは無い予定だった場所







「 …さとみ、くん……w 」


白いベッドの上、点滴を付けて入院着を着て俺の顔を見て硬い笑顔を向ける相棒





「 お前、、治ったって… 」


倒れたと聞いて病院に飛んできた

だって治ったって聞いてた


活動だって再開して、もう大丈夫って。検査の結果も問題ないって言ってたから






「 ……なおって、た、よ？ 」

「 お前…それって、、 」

「 再発……しちゃった、、 」


その声に俺は力なく椅子に腰を落とした






＿






「 …ごめんね、？ 」

「 やめろ 」


再発、転移。

最悪の状況ってのが出来上がっていた


「今のころんに耐えられる治療法はない」それが医師の見解

治療は治すためではなくて、痛みを取り除くもののみとなった





「 毎日来てくれなくてもいいんだよ？ 」

「 …寂しいだろお前 」

「 、べつに？w 」

「 …w るぅとと莉犬もよく来る？ 」

「 ぅん。けどさとみくんが断トツ。来すぎ 」

「 ……いいだろ、別に 」



こいつが入院中、俺はずっと体が重たくて気分が乗らなくて、

やっぱ俺にはこいつがいなくちゃダメだ。そう思ってばかりだ







「 今日公式でしょ？早く帰りなよ 」

「 見ろよちゃんと 」

「 ぅん、見るよ 」


ここ最近顔色がずっと悪いのも

何も言わないけど、今日高熱出してるのも知ってる



俺が来て無理させるのは嫌だから、早めに帰ることにした





「 また明日も来るから 」

「 いいよ、来なくてw 」

「 いや。来るから 」


「 …分かった。待ってる 」



コートを羽織って、病室を出る


俺は今日もちゃんと笑えてただろうか







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