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桃side
ぼふんとベッドに倒れ込んで、大きく息を吐く
柔らかい布団に包まれて猛烈な眠気に襲われながらも、頭の大半は莉犬への心配で埋め尽くされている
本当に眠っていいものか
スマホに表示される時間はまだ20時代で、少しの罪悪感すら感じる
「んー」と頭を悩ませながらも、体は正直なもので気がついた時には夢の中だった
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「 …けほっけほ、、ゲホッ、、ッヒュ……、 」
遠くで苦しそうな声が聞こえる気がする
「 ……、ん 」
「 、けほっげほっ、ッハ、、ゼェ…ヒュッ、、 」
半分ほどしか開かない目でスマホを確認すれば、時刻は0時過ぎ
壁越しに聞こえる声に嫌な予感がして部屋を飛び出した
「 りーぬ、莉犬?開けるぞ? 」
コンコンと何度かノックをし、莉犬の部屋のドアを開けた
莉犬は愛用の抱き枕に顔を埋めて声を殺すようにげほげほと咳き込んでいた
「 莉犬、莉犬。体起こそう。大丈夫 」
直ぐにその背中を抱いて体を起こさせる
そんな呼吸のしずらい状態じゃ余計悪化するだけだ
喘息出ちゃったか、と吸入器をベッドボードから出して咥えさせる
「 、げほっ、、ゼェ……、ヒュッ、ごほっごほ、 」
ヒューヒュー、ゼェゼェと喘鳴が聞こえて、苦しそうなのが音だけでもわかる
「 、大丈夫。大丈夫、俺いるから 」
「 …っは、けほっげほッ…、ヒュー、、 」
片手で吸入しながら、もう一方の手は俺の手に置かれた
冷たいその手を温めるように握って、ポロポロと涙を流す莉犬と目を合わす
「 辛いな。もう楽になるから 」
段々と薬の効果が効いてきたのか発作は落ち着いてきた
「 横になる? 」
「 ……、下いく 」
「 下?水飲む?なら取ってくるけど 」
「 、いきたいの、!ッケホケホ、 」
「 ん、ごめんごめん。分かったから 」
また咳き込み出した莉犬の背中を擦りながら、答える
全くいつからこんなわがまま坊やになったんだか
「 歩ける? 」と差し伸べた手はパシンと払われてしまって、ふらふら歩く莉犬を見守りながらリビングへ降りた
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yuka_ayaton(プロフ) - リクエストありがとうございました!2人の絡みが微笑ましくてあっという間に読み終わっちゃいました😊 これからも応援してるます💕 (3月8日 23時) (レス) @page49 id: 77a4af734c (このIDを非表示/違反報告)
しゅあ。(プロフ) - わーー、今回のお話はめっちゃあったかい話だ‥。めっちゃ好き。 (3月2日 0時) (レス) @page38 id: f84cc4c883 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - しゅあ。さん» しゅあちゃん!!もちろん覚えてるよ\(^o^)/~!コメントありがとう🙌🏻しゅあちゃんに読んでもらってると分かれば投稿頑張っちゃいましょうかねぇ✊🏻❤️🔥 (3月1日 2時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅあ。(プロフ) - らふちゃん、覚えてるか分かんないけどお久しぶり。 やっぱ天才だわ。楽しませてもらってます。 (2月29日 0時) (レス) id: f84cc4c883 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - たきこみごはんさん» リクエストお受け致しました。長らくお待たせするかもしれませんが気長にお待ちください😌 (2月23日 10時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2024年2月7日 9時