Symphony11【病系】【短編集】

143_新しい色で明日を描こう【水×赤】 ページ27

▶︎失声症(アンチ表現あります)
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赤side









みんなで動画を撮ろうってそれぞれdiscordに集まった

アイコンは４つ並んでいて、今にも始められそうではあるけど、一向にミュートを解除しない青色のアイコン




「 ころちゃーん、はじめるよ？ 」

「 部屋に居ないんじゃない？ 」

「 電話してみるか……………でないわ、 」


数回呼出音が鳴ったが出ることは無かった


代わりに ﾋﾟｺﾝ と通知音がなれば、グループチャットにころちゃんからで

【声が出ない】とそのチャットには確かに書いてあった






「 え？ぁミュート外れてる。ころちゃーん！？ 」

「 …… 」


ミュートは外れているのに何も声が聞こえない




「 僕たちの声聞こえてますか？ 」


るぅとくんがそう喋りかければ、チャットで【うん】と返ってきた






【何回も声出そうとしてるのに出ないの】

【怖い】


続いたそのチャットに、俺も怖くなった




通話じゃどうにも出来ないし、声が出なきゃ撮影どころじゃないから。と、俺たちはディスコを抜けそれぞれころちゃん家に向かうことにした






＿






ころちゃんのマンションに到着して、インターホンを押せばすぐに開いた鍵


中に入ればもう靴が2足揃えて置いてあってさとるぅとは到着済みなようだ





「 ころちゃん？どうしたの？ 」


リビングに入れば、ソファーにちょんと座り目を真っ赤にして泣いてるころちゃん

その前にただ立ちつくしているさとみくんとるぅとくんと目が合った





「 ほんとに声出ないっぽい 」


そりゃあ突然声が出なくなったら怖いよなって、何も伝えられ無くなっちゃうもんね。と泣くころちゃんの隣に座って肩を抱く




「 、… 」


俺を見て何かを言おうとしてくれてるのは分かるんだけど、ただ口をぱくぱく動かすだけで音は全く聞こえない

ころちゃんは携帯を取り出し何かを打ったと思えば、俺らのグループLINEに【ありがとう】と通知が届いた




「 とりあえず病院で診てもらおう 」

「 ころちゃん、無理に声出そうとしなくていいよ。何か言いたいことはLINEして 」

「 そうですね、無理したら声帯傷付けちゃうかもしれませんし 」


みんなで合流したもののできることはなくて、とりあえずころちゃんはさとみくんの付き添いで病院へ向かって行った







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