142_喧嘩上等【橙×水】 ページ25
▶︎事件、トラウマ
━━━━━━━━━━━━━━━
水side
［ 本日19時半頃、人気エンタメグループすとぷりのメンバーであるジェルさんが、アリーナで行われていたライブイベント中に何者かに刃物で刺されるという事件が起きました ］
どのテレビをつけても、SNSを開いても、やっていることは同じ
衣装のまんま上にダウンジャケットを羽織っただけの僕らは、ただ目の前で起きたことを信じられないでいた
.
コロナ禍もあけて、ライブに来てくれたリスナーさんとの距離が近くなって。
そんな最中だった。ライブ中客席まで降りてハイタッチとかファンサとかしてた時、突然悲鳴が上がった
それも1人2人レベルじゃないかなり大きな悲鳴
スタッフさんが慌てて僕のすぐ横を通り過ぎ、誰かを抑え込む
そんな騒ぎが起きた場所。上手側に今いるはずなのはジェルくんだった
「 ジェルくん！ 」
マイク越しに莉犬くんの声がして、ようやくそこで状況がわかった
ジェルくんが血を流して倒れている
その横で警備員さんにがっちりと拘束されている女性の手には血の着いた包丁が握られていた
ライブはすぐさま中止
僕らはみな裏へ捌け、お客さんは帰された
そんなことをしている間にあっという間に救急車は到着し、彼は運ばれて行って
僕らは今その処置が終わるのを病院の待合室で待っている
「 ありえないだろ…、 」
「 僕許せません 」
椅子に座って頭を抱えてるさとみくんと、その隣で悔しそうに拳を握るるぅとくん
そんな待合室に、スタッフさんと電話していた莉犬くんが戻ってきた
「 犯人。警察に引き取られたって。動機とかはまだ… 」
「 …そぅ 」
「 莉犬座りな。お前見たんでしょ？ 」
僕らの中で唯一ジェルくんが刺されるところを見ていた莉犬くん
肩に手を回せばその体はプルプルと震えているのがわかった
僕は、怒りとか恐怖とか、痛みとか。色々な感情が混ざりすぎて、逆に無に近づいたというか
意外と落ち着いていた
ジェルくんがどうか無事でありますように
ただひたすらにそれを願いながら、［処置中］と光り続ける赤いネオンを見つめていた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuka_ayaton(プロフ) - リクエストありがとうございました！2人の絡みが微笑ましくてあっという間に読み終わっちゃいました😊 これからも応援してるます💕 (3月8日 23時) (
レス) @page49 id: 77a4af734c (このIDを非表示/違反報告)
しゅあ。(プロフ) - わーー、今回のお話はめっちゃあったかい話だ‥。めっちゃ好き。 (3月2日 0時) (レス) @page38 id: f84cc4c883 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - しゅあ。さん» しゅあちゃん！！もちろん覚えてるよ\(^o^)/~！コメントありがとう🙌🏻しゅあちゃんに読んでもらってると分かれば投稿頑張っちゃいましょうかねぇ✊🏻❤️🔥 (3月1日 2時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅあ。(プロフ) - らふちゃん、覚えてるか分かんないけどお久しぶり。 やっぱ天才だわ。楽しませてもらってます。 (2月29日 0時) (レス) id: f84cc4c883 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - たきこみごはんさん» リクエストお受け致しました。長らくお待たせするかもしれませんが気長にお待ちください😌 (2月23日 10時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らふのすけ | 作成日時：2024年2月7日 9時
