Symphony11【病系】【短編集】

136_罪悪感はバニラの香りがするらしい【赤×桃】 ページ3

▶︎体調が悪いと甘えたになる病弱赤さん
(シェアハウス／5人設定)
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黄side








「 …………やだ 」


ちょこんと座る莉犬の前に置かれた、水と粉薬




「 飲まないと辛いままだよ？ 」

「 、、粉は飲まないの… 」


かれこれ15分ほどずっと薬の前で駄々っ子してる

けほけほと苦しそうな咳を零しながら、時折ゔぅぅと薬に威嚇するように唸ってる





「 しゃあないやろ？粉薬しか貰えへんかったんから 」

「 やだぁ 」

「 ごくって大きくいっちゃいなよ 」

「 やだ 」


ジェルくんところちゃんの説得にもこの通り

莉犬の語彙はもう「やだ」と「ゔぅぅ」しかないかもしれない







もう認めよう

僕らは困っている


頭を掻きながら「んー」と困り眉なジェルくんも

ソファーで携帯をいじっているころちゃんも、もう全身で困っていることを表現しているようだ

僕は、莉犬の隣でじっと様子を伺っている


さとみくんはと言うと、莉犬が風邪をひいてから昼夜関係なく莉犬に付きっきりで。そろそろ休ませてあげたいということで「莉犬は僕らに任せて！」と部屋に帰らせた

そのたった1時間後の有様がこれ





「 さっちゃん起こす？w 」

「 いや、さすがに… 」

「 そうよな… 」


「 んーー、けほっけほ、、ｸﾞｽｯ… 」

「 ぁ、莉犬…泣かないで、 」


僕の肩に頭を預けてきたと思えば、大きな瞳から大粒の涙が溢れ落ちる

肩からも伝わってくる体の熱さ。もう何日もこんな高熱続きじゃそりゃあ泣くほど辛いに決まっている






「 だれ？莉犬泣かしたの？w 」

「 ぁれ、？寝たんじゃないんですか？ 」

「 ちょっと作業して、シャワー浴びてた。これから寝る 」


ふらっとやって来たさとみくんは頭にタオルを被せて、濡れた髪をわしゃわしゃ拭きながら言った





「 、ねぇさとみくん。粉薬ってどう飲ませればいい？
今調べてたけど、ジュースに混ぜるのは効果減っちゃうよね 」


ソファーからむくっと起き上がったころちゃん

なんだ、ちゃんと調べてくれてたんだ



「 あぁ、粉薬しかないの？ 」

「 うん、だから莉犬が飲みたくないって 」

「 ならぬるいお湯用意して溶かしつつ飲ましてあげる 」


なるほど、とジェルくんが沸かしてくれたぬるま湯で少量ずつお湯にとかしてスプーンで口に運べば素直に飲んでくれた

「さとみくん凄い」とお手上げだった3人が拍手すれば、満更でもない表情のさとみくんがいた







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