Symphony３【病系】【短編集】

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桃side









顔色は悪いなって気がついていた


唇の色が悪いし、なんか酸素が足りてないってゆーかそんな感じ




ころんは本当に辛い時ほど弱音を吐かないで、ひたむきだから頑張りすぎちゃう前に止めなきゃって思ってたのに遅かった





俺の目の前でころんは苦しそうに床に膝をつき必死に生きをしている


俺らの呼び掛けに答えられないくらい酷く乱れたその呼吸と咳に俺たちは対処法が分からない




「 、きゅ…っは、ﾋｭｰ、いん…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎ、き…、 」

「 ころん？吸引器？ 」

「 吸引器ってころちゃん喘息？ 」


ころんのバッグの中に入っていた吸引器とやらを莉犬が取り出してころんの口に当てる

ころんは手馴れた様子で何とか吸引を行うがなかなか咳は止まらない



ころんを俺とるぅとで支えソファーに移動させる

横になるのも出来ないみたいで、ソファーに座り前かがみになりながらまだ荒い呼吸を繰り返している

咳を繰り返し、肩で呼吸をしながら俯いている




ころんをるぅとと莉犬に任せて、スタッフさんの元に行く

救急車を呼ぶほどではないと判断したスタッフさんたちと今日のリハーサルをどうするか話し合う


「 休ませるのはもちろんだと思うんすけど、このままダンスさせるのはきついと思います。ころんはやるって言うかもしれないけど、止めないともっと悪化しそうっすよね 」

「 そうですね、じゃあダンスリハーサルは別日で衣装合わせとセットリストをやりましょう 」

「 はい、すみません。お願いします 」




「 、ころん。無理して声出さなくていいから耳だけ傾けといて 」

彼らの元に戻ってしゃがみ、ころんの膝に手を当て声をかける



「 ダンスリハは延期。今日は衣装合わせとか体動かさないやつね 」

「 、っは…ごめ、ん…けほ 」

「 大丈夫 」

「 ころちゃんは今はその咳を治してください 」

「 ゆっくりでいいからね、頑張って来てくれてありがとう 」


彼の肩をぽんっと3人とも叩いて笑顔を見せる

無理しがちな君は、俺たちにとって大事な大好きな君だから、早く元気になれよ、相棒。




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シリウス−fin.


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