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桃side
一限目は数学で、文系の生徒は別教室に移動
理系選択の俺たちは席を移動した
ころんは俺の左斜め前に座ってる
絶妙に話やすい位置でほんと助かってるよ
けどあいつ今日は珍しくずっと寝てて…
ころんが授業中寝るのは嫌いな英語だけって相場が決まってんのにこれまた違和感だった
練習問題を解くために取られた数分
早々に解き終わった俺は窓の外を眺めるようにして視界にころんを捉える
少し身を乗り出しあいつの肘あたりをシャーペンでトントンと叩く
振り向いたころんにノートの切れ端に書いたメモを渡した
机の上にくしゃっと置かれた紙
[大丈夫]と書かれたその文字に俺は安心なんてできやしなかった
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授業が終わり直ぐにころんの元に行く
机に突っ伏しているころんの首元に手を当てて温度を確かめる
「 ん、…なに 」
「 立てる? 」
「 立てるけど、 」
「 保健室いくぞ。連れてってやるから 」
「 …は?w いいよ、 」
無理には連れて行きたくないけど、このまま静かに耐えてるのも絶対辛いはずだから
重力に負けるようにまた机にコツンとおでこをつけようとしたからおでこと机の間に手をすり込ませる
「 、あったか… 」
「 お前に調子崩されると困るから。帰れ 」
「 ふはっ、ツンデレ…w 」
「 、うるせぇ 」
「一人で行ける」とゆっくり立ち上がったころんはふらふらと教室から出ていった
もう絶対早退だろうからとあいつの荷物を持って、静かについて行く
次の授業開始を知らせるチャイムが鳴ったけどそんなの聞こえないわ
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「 ついてこなくていいって…w 」
「 遅刻も体調悪かったからだろ 」
「 そうだけど… 」
「 これ 」
ポケットからミルクティーを取り出してころんに渡す
「 え、いつ買ってたの? 」
「 朝。いつも買ってるじゃん 」
「 気利くね 」
「 前からだろ 」
ミルクティーをころんに押し付けるように渡して、なんか急に恥ずくなって荷物も全部押付けて踵を返した
「 ありがとね、さとみくん 」
「 おう、 」
後ろの方から聞こえたその声に振り向くことなく返事をして教室に戻った
あいつの居ない席も教室もなんかいつもよりひんやり冷たい気がした
紙パックにストローをさして1口飲む
「 、あま… 」
ミルクティーは甘くて、優しい味がした
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MILK TEA−fin.
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38_noblesse oblige【赤×黄】→←37_MILK TEA[水×桃]*
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リーベ - 夢代行サービス、とっても良かったです…!死ネタは苦手なのですがこちらのお話は最後まで泣きじゃくりながら読めました(ノД`)・゜・。素敵なお話ありがとうございました。 (8月20日 3時) (レス) id: 09300b9193 (このIDを非表示/違反報告)
はゆの(プロフ) - らふのすけさん» 了解しました! (2023年2月14日 13時) (レス) id: b5eb2ea323 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - すなねこさん» 兄弟パロ!ありがとうございます🙌かしこまりました! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - はゆのさん» ありがとうございます🙇♀️予定ですが、46話での公開になると思います! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
すなねこ - かいてくださりありがとうございます!!めちゃ刺さりました、、。リクエスト失礼します!兄弟パロで桃くんいじめでおねがいします!!看病は赤くん中心で、できれば青くんが体弱くてみんな桃くんに気付けないシチュお願いします! (2023年2月11日 22時) (レス) id: 9b8c3c3801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2023年1月8日 2時