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黄side
「 お邪魔します 」
ころママは、「それでころんが少しでも前向きになってくれるなら」ってお家にあげてくれた
もう何度も来たことのあるお家
玄関に上がって階段を上がった2階がリビング。3階がころちゃんにころちゃんのお部屋がある
コンコンと部屋をノックして「ころちゃん?僕。るぅと」と声をかけてみる
中からはなんの音もしない。あんなに騒ぎながらゲームしたりするのに
「 開けていい? 」
「 ……、 」
「 開けるよ、 」
ふぅと息を吐いて、ゆっくりドアノブ捻り開けた
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「 …ころちゃん? 」
「 、るぅとくん……、 」
カーテンも閉め切った真っ暗な部屋の中で、彼は部屋の端っこに体育座りをしていた
「 ころちゃん、久しぶり 」
目までかかった寝癖のままのボサボサの髪
頬や指に無数に貼ってある絆創膏。手首に巻かれている包帯からは赤い血が滲み、彼の足元には刃の出たカッターが転がっていた
「 …僕変わっちゃったでしょ?w 」
震えたその声で、彼はお人形さんみたいな作った笑顔を向ける
「 ううん。ころちゃんはずっところちゃんだよ 」
僕はビビっている
知らぬ間に彼が心に負ってしまった傷の大きさに
けれど、その感情を絶対彼には見せまいと不恰好と分かっていても僕は彼に笑顔を作る
キミとおんなじ、お人形さんみたいに作られた笑顔。
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「 ねぇるぅとくん……、 」
「 なに? 」
「 僕がさ…いなくなったら、寂しい……? 」
「 寂しい。寂しいに決まってる 」
「 、そっか、、 」
彼は震える手でカッターを握り自分の首元に持っていく
「 ころちゃん、? 」
「 …何回もね、ここを切れたら楽になるって考えるんだけど……その度に浮かぶの。
中学までの友達とか、あの駄菓子屋とか…るぅとくんの顔とかね…。 」
カッターを床に落として彼は、膝を抱えて顔を埋める
「 、ころちゃん 」
僕は、彼の元に行って膝をつき彼を抱きしめた
「 またあの駄菓子屋行こう。舌が青くなるガムとか、1粒だけ酸っぱいチューインガムとか食べて笑おうよ。
僕、ころちゃんとしたいことも行きたいところもいっぱいあるよ 」
無理やりにでも連れ出そうなんて思いもしない
彼の体に刻まれた傷たちはきっと彼の心の傷の数だから
「 僕たち親友じゃん? 」
僕はあなたのそばにいるよ
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Two of Us−fin.
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リーベ - 夢代行サービス、とっても良かったです…!死ネタは苦手なのですがこちらのお話は最後まで泣きじゃくりながら読めました(ノД`)・゜・。素敵なお話ありがとうございました。 (8月20日 3時) (レス) id: 09300b9193 (このIDを非表示/違反報告)
はゆの(プロフ) - らふのすけさん» 了解しました! (2023年2月14日 13時) (レス) id: b5eb2ea323 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - すなねこさん» 兄弟パロ!ありがとうございます🙌かしこまりました! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - はゆのさん» ありがとうございます🙇♀️予定ですが、46話での公開になると思います! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
すなねこ - かいてくださりありがとうございます!!めちゃ刺さりました、、。リクエスト失礼します!兄弟パロで桃くんいじめでおねがいします!!看病は赤くん中心で、できれば青くんが体弱くてみんな桃くんに気付けないシチュお願いします! (2023年2月11日 22時) (レス) id: 9b8c3c3801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2023年1月8日 2時