隣の席のあいつ【桃】

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学校での告白スポットとして有名な場所のひとつ

そう、体育館裏




美術準備室は窓からその体育館裏がバッチリ見える場所にあって、先輩が先程言った「よく告白されてるところ見るけど」というのはこの場所からがほとんどだ


カーテンを開けて、体育館裏を見下ろす






と、男女がそこに立っているのが見えた



あぁ、また誰かが告白してるんだ…なんて少しの興味で目を凝らす







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「 …え？ 」



思わず声が漏れた

だって、そこに立っていたのは さとみくん だったから＿＿＿＿






一緒にいる女の子は…さっき話していた姫川さんだ








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姫川さん？が、さとみくんのこと好きらしいよ



さっきの先輩の言葉が、脳裏を駆け巡る






え、え？


これってもしかして、


さとみくん 告白されてる！？








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見て取れる感じ、話しているのは女の子の方で、さとみくんは彼女をじっと見て頷いている




上を見上げられたら一発でバレてしまう




けど気になって、窓に張り付くくらいで2人を凝視する









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本当にモテるんだなさとみくんって…



美女と噂の子に告白されてるんだもん






明日、絶対にいじってやろ〜



いつもの仕返しで、照れてる顔でも拝んでやらないと








なんて、能天気な考えをしていたその時







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((ｶﾞｼｬｰﾝｯｯ



「 ……っ、！ 」





さとみくんと姫川さんがハグをした


そのまま、顔と顔が近づいたところで私は思わず後ろに後ずさりし、後ろにあった道具たちに当たり思い切り床にぶちまけてしまった







「 …！Aちゃん！？どうしたの、！？ 」


突然の衝撃音に驚いた様子で2人が美術準備室のドアを開けた





「 あっ、いえ…ちょっとぶつかっただけです 」


そう言いながら、体育館裏が見える窓のカーテンを閉める







鼓動が有り得ないくらい速くて、動いてもないのに何故か呼吸が上がっている








「 ちょっ、私…トイレ行ってきます！ 」



そう言って、2人の間を縫って美術準備室を出た







見てはいけないもの…


いや、見たくはなかったものを見てしまった気分






ただただ、理由は分からないけど私は混乱していた





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