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『 ……A。お前は頑張ってるよ、本当に凄い。偉い 』
さとみさんは突然、そう言って私の頭を撫でてくれた
その瞬間、私の中で張り詰めていた何かが弾け飛んで涙が溢れて止まらなくなった
「 ……ッ、うっ、 」
『 もぉ、泣くなよ、! 』
そう言って笑って、更に私の頭をぐしゃっと撫でる
「 ……もうッ、限界です…! 」
嗚咽を漏らしながらそう、やっと言えた弱音
すっと私の頭から手を引いた彼は、私の前にハンカチを差し出した
私がそれを受け取ると、彼は椅子をすっと回転させて私に背中を向けた
泣いた顔を見ないようにしてくれている先輩の優しさに甘え、私は泣き続けてしまった
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「 グスンッ、…すみません 」
『 大丈夫か? 』
私があまりに泣き続けるから、さとみさんは会社から見える景色を眺めていた
そんな、さとみさんの元に行き頭を下げる
「 、もう大丈夫です 」
『 ふっ、大丈夫じゃねーだろ 』
そう言って、彼は私を抱き締める
「 ッ、服についちゃいますよ、…ヒクッ 」
『 関係ないよ、そんなの 』
私の後頭部に手を回し、優しく語り掛けてくれるその声は私の疲れや悩みも全部吹っ飛んでいった
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そのまま一緒に帰ることになって、駅まで肩を並べて歩く
「 …今日のこと、 」
『 、俺とキミ。2人だけの秘密な?w 』
白い歯がキラッと見える
「 ありがとうございます 」
『 なんてことよ。 Aさんは本当に頑張ってるからね 』
「 、かっこいいですよね、さとみさん 」
『 えぇ?w 何、好きなっちゃったの? 』
「 はい、好きですよ 」
『 、え? 』
「 あっ、いや、あの先輩としてですよ? 」
『 ふーん、そういうことにしといてあげるよw 』
「 いや、本当にそういう意味じゃないですからね! 」
『 はいはい、照れ隠しね可愛い 』
これは、そう
私と夫との馴れ初めの話____
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秋夜の東京【桃】−fin.
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らふのすけ(プロフ) - あたおかほっとけーきさん» お、もう消してしまったから相当ラッキーだね。テスト?何の心配もない笑って誤魔化そう!w (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ネコ日和。さん» お久しぶりです!コメントありがとうございます😊 移行しましたので是非ご覧ください( ˶¯ ꒳¯˵)👍🏻 (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - nozomi uedaさん» コメントありがとうございます!それは個々人のという解釈で合ってますか?それとも赤さん×黄さんの同性愛的なお話ですかね?(同性愛の場合フラグを立てないと書けないため本作品でのリクエストは申し訳ないのですがお答えできないです) (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - いづ@ころりすさん» ありがとうございます☺️ (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - しゅあ。さん» でしょ!!いいのあるかなーと探してたら奇跡的に見つかりました!w (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2022年9月16日 16時