ほっとここあ【短編集】

溺れ愛【桃】 ページ39

.


⚠︎紫さん出演作です…！(ｸｽﾞ)


＿＿＿



桃side










彼の隣に立つ女性


あの頃と趣味が変わったのか全然違う雰囲気の服装に、作り上げた笑顔





彼女の隣に居るのは俺じゃなくて、なーくん










.










目を合わせるとすぐにそらされてしまう



ライブの打ち上げ、1番離れた所に座る女性



なーくんの彼女











俺の














＿＿＿＿＿元カノ









.








なーくんに嫉妬なんて全くしていない



俺が全て悪かったから






今なら、今の俺なら彼女を1番に幸せにしてあげられる




そのために自分を磨いて、努力してきた








だけど、気がついたら彼女はなーくんの隣にいて




遅かった









.










『 A…！ 』



久しぶりの再会


このまま話をしないなんて嫌で、最後の最後に話しかける







「 さとみくん… 」

『 … 』


パッとようやく合った瞳に、胸がドキドキして言葉が出でこない




「 …？何も無いなら行くね 」

『 ぁ、待って。A、なーくんと付き合ってるんだね 』

「 ……、うん。隠しててごめんね 」

『 ぁ、いや…、ﾍﾍ
Aが幸せならそれでいいから 』




幸せ…か、、


俺がAを幸せにしてあげたかったよ







.








「 ……うん、 」

『 A？ 』

「 1番ってよく言ってくれたよね 」

『 え？ 』

「 さとみくんさ、“1番Aのことが好き”ってよく1番って 」

『 ぇ、？w 俺そんな言ってた？ 』



嘘。全部覚えているし


今も俺にとってAは1番だ








「 私は、なーくんの“1番”では無いみたい 」



穏やかだけど、どこか寂しさを覚える笑顔を彼女は作る







『 …、A。俺で良ければいつでも相談乗るから 』

「 ………、ううん。大丈夫！ごめんねこんなこと言って 」

『 俺はお前の味方だから 』




いくら相手がなーくんであっても


彼女を傷つけてるんだったら俺は許さない














「 ありがとう 」


去り際に小さく呟かれたその言葉







俺は、キミが欲しい愛に答えられるのに＿＿＿



.

.→←水さんお誕生日特別編−余談

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す