ほっとここあ【短編集】

水さんお誕生日特別編−0529 ページ36

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『 やだ、僕絶対帰らないから 』

「 だからって俺ん家にたむろうなよ、邪魔くさい 」

『 何その言い方！いいじゃん友達でしょ 』




彼女と喧嘩して、僕は今家出中


逃げ込んださとみくんの家で、ゲームをしながらお酒を飲む









「 そもそも、何で喧嘩したんだよ 」

『 なんかコソコソやってて、聞いても隠すから…
浮気されたんだ…僕……、 』

「 ちゃんと確認したのかよ 」

『 聞けないよ！怖いじゃん 』




さとみくんは、呆れた顔をしながら僕の晩酌に付き合ってくれる













「 勘違いかもしんねーじゃん 」

『 勘違いじゃなかった時、僕どうすればいいのさ 』

「 それはぁ…その時考えるんだよw 」

『 いや無理！ 』



同棲中の彼女


僕は好きだし、彼女も僕のこと好きでいてくれるって思ってて









なのに、あんなにコソコソ


僕に何か隠しごとがあるみたいに






僕、彼女の理想の彼氏になれてなかったのかな


何が足りなかったのかな


なんて、色々考えちゃって




考えてたら、あぁすれば良かったのかなって色々浮かんでくるのも嫌で


お酒の力に頼るしか出来ない、僕は弱い大人









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「 おい、ころん起きろ〜 」



次の日の朝、さとみくんに起こされる


部屋には散らばったままの空の缶が転がっていて、昨日を思い出す







『 うぇ…、二日酔い 』

「 弱えのに飲むからだ 」

『 さとみくんよりは強いし 』

「 認めねぇ 」



さとみくんがくれた水を飲み、携帯を開く





浴びるほどお酒を飲んだはずなのに、昨日のさとみくんとの会話は覚えていないのに


彼女との喧嘩ははっきり覚えている











『 はぁ…、僕はもうダメだ……、 』



突然家を飛び出した僕に、彼女から心配のLINEすら入っていない









『 言い過ぎたかな…僕……、 』

「 お前、怒ったり反省したりほんと忙しいやつだな 」




さとみくんは笑ってるけど、無理に家に返そうとしなくて


お風呂貸してくれて、服も貸してくれて、僕の機嫌が治るのを待っててくれているみたいだった





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