ほっとここあ【短編集】

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「 ジェルの大学、凄い頭いいところなの知ってるけど…、私二年生だし、今から頑張れば行けるかな！なんて……へへ 」

『 それは本気？ 』

「 …本気のつもり…です 」

『 …… 』




ジェルは、凄く驚いた顔をしたあと『んー』って何かに悩んでいる様子だ







『 じゃあ、お願いは何？ 』

「 これからも……、私に勉強教えて下さい！ 」



公園の真ん中、時計の下で私はジェルに頭を下げる






『 ふっ、よっしゃ！じゃあAが俺の大学に入学できるまで！！この約束は継続やね 』

「 …いいの？ 」

『 ええで勿論！ 』

「 やったぁ！！ 」


嬉しくて、時計周りをスキップで走り回る


そんな私を『小学生か』って笑ってくれる君








「 もし受かったらさ、またご褒美ちょうだい 」

『 ええで！今までのより飛びっきり特別なご褒美あげる 』



そんな約束を胸に、私は机に向かった













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「 …ぁ、あった！あった！！ 」



周りから高望みだって馬鹿にされた

成績が伸び悩んで枕を濡らした日もあった

そんな時でも、ジェルだけはいつも味方をしてくれて、応援してくれた











『 おめでとう！ 』


いつも通りの優しい笑顔、艶やかな声が私を祝福してくれた







「 ありがとう！ジェルのおかげだよ！すっごい嬉しい 」


私の家に戻ってきて、改めてお礼を言う






『 いや、Aの頑張りやで。よく頑張りました 』


そう言って頭を撫でてくれる







「 それでさ、あの… 」

『 ん？あ、ご褒美やろ？ホンマに何でも叶えてあげる 』

「 ……、ここにさチュウして 」


そう言って、頬を指す






『 ……、いいの？ 』

「 うん。ご褒美。なんでもやってくれるんでしょ 」

『 …うん 』



彼がゆっくり近づいてくる





『 いくで 』

耳元でそんなカッコよすぎる声が響いたあと、ちゅっと柔らかい何かが頬に触れた










「 …ありがとう 」

『 それだけでいいん？ 』

「 え？それだけって？……っ 」



彼の方を向いた瞬間、さっき頬に感じた感覚を唇に感じる










『 ご褒美。ホンマによく頑張った。Aは偉い 』



彼は、放心状態の私の頭を少し雑に撫でる









「 え？ 」

『 …ふふっ、え？ってなんやねん 』

「 ……、ずる 」

『 なにがw 』

「 ジェルずる！！ 」




顔が赤く見えるのは夕日のせいだ






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ご褒美【橙】−fin.



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ｷｬ───(*ﾉдﾉ)───ｧ

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