ご褒美【橙】 ページ28
.
『 ほぉら、携帯ダメ言うてるやろ 』
「 あっ! 」
『 この宿題終わるまでまで没収な 』
あまりに勉強のできない私に親が心配して、連れてきた家庭教師
って言っても、お母さんのパート先の同僚の息子さん
教員免許を持っている訳では無いけど、私でも知ってるいい大学に通っている
ただのお小遣い稼ぎの青年
最初はそう。そんな印象
最近は、優しくておもろいお兄ちゃんって印象かな
毎週水曜日に来てくれるんだけど、その日がすごく楽しみ
勉強だけじゃなくて、悩みとか、愚痴とかも聞いてくれるから私にとって必要な時間になっている
「 ねぇ、ジェルはさ、先生になればいいじゃん 」
『 え?先生?教えることは嫌いやないけど、難しいと思うで 』
進まない問題。ペンを弄りながらジェルと話す
『 あ、ここまた同じ間違いしてる 』
「 ジェルさ、 」
『 ほら、今はこれやる時間。話は後でな 』
暗号にしか見えない数学の問題
正直、全然やる気が出ない
「 ねぇ、これ終わったらご褒美ちょうだいよ 」
『 ご褒美?何が欲しいん? 』
「 んー、じゃあねコンビニでなんか買って 」
『 分かった1個好きなん買ってあげる 』
「 やった! 」
『 その代わり、17時までにこのプリント終わらせること 』
『 よーいスタート 』ジェルのその言葉で、一気に集中する
「 よし、できた! 」
たった1つのお菓子のためにこんなにも私は集中できるんだ
『 お、この問題解けるようになってるやん! 』
ジェルは凄い褒めてくれる
だから、前より少しだけ勉強が好きになれた気がするんだ
.
ジェルを駅まで送る途中、コンビニに入った
「 これがいい! 」
『 ええで 』
アイスを買ってもらって、ふたりで公園に行く
空いていたブランコにそれぞれ座る
「 いただきます 」
『 美味し? 』
「 うん!美味しい 」
『 じゃあテストも頑張れるな 』
「 いや、それは違う 」
『 ハハハッ、なんも違くないやろw 』
お母さんとの約束を思い出す
ジェルが教えてくれるのは今回のテストが終わるまでだ
もうすぐ、会えなくなっちゃうのかな
隣で無邪気にブランコを漕ぐジェルを見ながら、少しだけ寂しくなった
.
205人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うみぶどう - 初コメ失礼します!🙌らふのすけさんの小説ずっと読んでるんですけど、毎回毎回とても素敵なストーリーで、ドキドキィとワクワクゥが、もうヤバいです🥲これからも頑張ってください!! (2022年8月5日 21時) (レス) id: ecd258f0aa (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ヒアヤさん» ヒアヤさん!何度もコメント本当にありがとうございます☺️うるっとなんて最高の褒め言葉ありがとうございます!これからもよろしくお願いします٩(ˊᗜˋ*)و (2022年6月6日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - たこ天さん» たこ天さん!コメントありがとうございます😌うわぁそう言っていただけるの凄く嬉しいです。これからもよろしくお願いします( ¨̮ ) (2022年6月6日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒアヤ - 次回も楽しみにしています!頑張ってください! (2022年6月6日 7時) (レス) id: 21aa03ab93 (このIDを非表示/違反報告)
ヒアヤ - お知らせ把握です!とりあえずジェルくんがふんわりしてて優しい感じで好きでs((( もう…あの6周年のやつでうるっときちゃいましてwらふのすけさんはライブ行かれたんですね!私もいつか行ってみたいです…そんなことはさておき、今回も最高でした! (2022年6月6日 7時) (レス) @page46 id: 21aa03ab93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らふのすけ | 作成日時:2022年5月9日 22時