ほっとここあ【短編集】

結【水】 ページ20

リクエスト作品です．

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「 いやまさか、本当にころんとAちゃんが結婚するとはな 」

「 そうそう。中学の時ころんがさ、Aちゃんにプロポーズしたって言ってた時は冗談かと思ってたわ 」

「 お前、別れた時泣きすぎて学校サボったもんなw 」




結婚式


主役は紛れもなく僕とA





華やかでフォーマルな格好に身を包んだ元同級生達は、シャンパン片手にすごく嬉しそうに口早に話す








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「 いやぁ、でも本当に良かったよ。散々してきた嫁さん弄りがもう出来ないのは残念だけどな 」

『 いつでもしてよ。そしたらこの指輪見せつけてあげるから 』

「 うわっ、お前ずるいぞ 」

『 ふはは、 』




妻。嫁。

まだ言い慣れないな




彼女とは、幼馴染で昔からよく2人で遊んでた

家族ぐるみで本当に色んなところに出かけた

旅行にも行ったり、お互いの家にお泊まりもしたな


家も近かったから、保育園、小学校、中学校とずっと一緒でなんなら塾まで同じところを通っていた

それくらいの腐れ縁









［ Aちゃん好き！僕、Aちゃんとずっと一緒にいるんだ！ ］



披露宴で流された昔のホームビデオ


僕は、母親が向けるビデオカメラにそんな事を公園のど真ん中で言ってて、

隣にはそんな僕に脇目も振らずに砂場で懸命にお城を作っているA






「 今と変わんないね私たち 」

『 恥ずかしすぎるでしょこれ… 』


僕の隣には、この頃よりも何倍も何百倍も綺麗になった

真っ白なお姫様がずっと変わらず笑ってくれている











この笑顔を見る度に、僕は心の底から幸せを感じられるんだ






披露宴の途中、新婦からのサプライズでピアノの演奏が始まった



友人に教えてもらったらしく、僕もそんな練習をしていたのなんて知らなかった








緊張しいの彼女が、ふぅ〜と息を吐き、震える指を鍵盤の上に置く


優しくて、温かくて、少し拙い

でもそれがとてつもなく愛おしい


そんな音色が僕達を包む








僕達はまた一歩前に進めた気がした





新しい君の姿を、段々と滲んでいくその姿を、懸命に焼きつける





君の全部を、もっと知りたい















果てない今日からの日々を




過ごそう



作ろう



守ろう






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