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眠りにつくのを諦めて、ずっと気になっていたことを投げかけてみた。
頭上にとん、とペットボトルの底が触れるのを感じながら、目の前にある真剣そうなその顔を見つめる。
今日、わけもわからず自分の頭を付き纏ってばかりのそれを話題として投げかけるのは少し気が引けたけれど、仄暗い場所を目にしてほしくはないとそればかりを考えていたから。
誰よりも綺麗に佇むこの人には、綺麗な場所にいてほしい。
そう願うのもきっと変なことではないし、ヒョンたちも同じ気持ちのはずだろうと思う。
そもそも自分に興味のないこの人がエゴサーチなんてものをするのかと疑問ではあったけど、結局予想通りの返事が返ってきて、ああやっぱりと思った。
便利だとか言うわりに、その機能を使いこなせていないような気もするんだけど。
というか、元から電話くらいでしか使う気なんてないのかもしれない。そういうものに関心が薄いAのことだし。
やっとバランスが安定したのか、途端に動かなくなった頭上の重み。
白い手によく映えた黒のジャージの袖が離れていくのを見た。
MG「便利って言うけど全然見ないじゃん、SNSとかネットとかさ」
「じゃあ、見たほうがいい？」
少し伸びた前髪の隙間から、宝石のような瞳が覗く。
この目が少しでも濁る瞬間が、いつかは来るのだろうかと考えてしまう今日は、随分と頭が重くて。
少し身を捩ったら、頭上のペットボトルが地面へとずり落ちていった。
MG「…いや、見ちゃだめ。見ないで」
「だめなんだ」
MG「だめ。そのままでいて」
「どうしても？」
MG「…見たかったの？」
「いや、べつに」
ぼんやりとした会話が続く。
空なら捨てなよって声をかけたら、しばらく此方を見つめていたあと、落ちたペットボトルを拾い上げてはべこべこと音を立てながら潰し始めた。
案外素直に聞き入れたその姿と、簡単に萎んでいく手の内のペットボトルを見て、思ったよりすぐ飽きたものだなと考えて。
気に入るとすぐにわかる。子どもみたいにずっと同じ遊びを続けるから。
MG「飽きた？」
「捨てろって言ったじゃん」
MG「聞かないと思ってた」
「ミンギュを寝かせてあげようかなと思って」
MG「飽きたんでしょやっぱり」
「あはは」
すっかり形の変わったそれが、少し遠くにあるゴミ箱に向かって軽く投げ入れられる。
揺れる髪を後ろで眺めていた。
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をる(プロフ) - Kさん» コメントありがとうございます😭！！拙い文ですが楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。これからも見守っていただけたらと思います、ありがとうございます🙇 (4月3日 19時) (
レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - いつも読ませて頂いております！素敵なお話ありがとうございます。無理なさらずこれからも応援しています☺︎ (4月3日 11時) (レス) @page25 id: 64e289b1e8 (このIDを非表示/違反報告)
をる(プロフ) - こころさん» わー！！コメントありがとうございます😭本当に励みになります、嬉しいです。この先も楽しんでいただけたら幸いです！ (4月3日 2時) (レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 書き方がすごく好みです❤︎これからも楽しみにしています！ (4月3日 2時) (レス) @page25 id: ff02d19e18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：をる | 作成日時：2024年3月25日 3時
