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DN「Aより先に泣かないって決めてるんです」
Aが泣きたいときに、一緒に泣いてあげるために。
そう言う自分の顔を見たジョンハニヒョンの大きな瞳が、また穏やかに揺らぐのを目にした。
昔から決めていたことだった。
滅多に泣かないAのことだから、もし泣きたい瞬間が訪れたとしても、誰にも何も言わずに心の奥に閉じ込めてしまいそうで。
なかったことにするくらいなら、寂しくないように自分が一緒に泣いてあげようと思った。
それもひとつの思い出になれば、鍵をかけてしまうよりずっといい。
静かに目を伏せたジョンハニヒョンの顔が、少しだけ安心しているように見えた。
JH「じゃあ先に泣いてあげたら。お手本に」
DN「ヒョンがやってよ」
JH「俺は涙を拭いてあげるのに忙しい」
DN「…大人だから？」
JH「そう。大人だから」
ひとつ引っかかることといえば、"大人だから" なんて言葉に、線引きをされているような感覚があることだ。
ヒョンはよく自分を子どもだと言うし、今みたいに歳上ぶることもよくあるけど。
大人だから泣かないのか、泣きたくないから泣かないのか。
理由はわからないけど、自分には泣けばいいと諭すくせにそうしないのが、何となく寂しいと思ったから。
DN「大人も普通に泣くじゃん」
JH「子どもみたいにみっともなく泣くヒョンを見たいの？」
DN「でも、きっとAも言いますよ。泣けばいいのにって、さっきのヒョンみたいに」
泣きたいなら、泣けばいい。
誰かにそう言うこと自体は簡単なことで、泣き方がわからない人にとっては酷な話になるのかもしれないけど。
それでもヒョンはちゃんと泣く人で、ものすごく優しくて脆い人で。
だから、その言葉を受け取るべきは自分じゃなくてヒョンのほうなんじゃないかって、そんなことを考えた。
もしこの場にAがいたとしたら、同じことを考えるだろうと思う。
ハニも泣けばいいんだよって、いつもみたいに優しく目を細めて、花のように笑うだろうから。
優しすぎる二人のことだし、最後までどっちも泣かないなんてこともあるのかもしれないけど。
JH「…自分は泣き方もわかってないのにね」
DN「それをヒョンに教えてもらうんでしょ」
JH「シュアにやってもらおう、シュアに」
DN「責任もってヒョンがやりなよ」
JH「やあだ」
子どもみたいなヒョンの声が、リビングに浮かんでは消えていった。
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をる(プロフ) - Kさん» コメントありがとうございます😭！！拙い文ですが楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。これからも見守っていただけたらと思います、ありがとうございます🙇 (4月3日 19時) (
レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - いつも読ませて頂いております！素敵なお話ありがとうございます。無理なさらずこれからも応援しています☺︎ (4月3日 11時) (レス) @page25 id: 64e289b1e8 (このIDを非表示/違反報告)
をる(プロフ) - こころさん» わー！！コメントありがとうございます😭本当に励みになります、嬉しいです。この先も楽しんでいただけたら幸いです！ (4月3日 2時) (レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 書き方がすごく好みです❤︎これからも楽しみにしています！ (4月3日 2時) (レス) @page25 id: ff02d19e18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：をる | 作成日時：2024年3月25日 3時
