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JH「なんでこんなに良くないことばっかり続くんだと思う？」
SC「…そんなん俺が知りたいよ」
JH「ねえ」
SC「…」
JH「なんにも悪いこと、してないのにね」
その沈黙を破ったのはジョンハニのほうで、誰もいない廊下に静かすぎる声が潜むように続いた。
ジョンハニが徐に下を向いて、指先をいじり始める。
気を紛れさせようとしているんだろうと思う。それでもきっと、考えることはこんなにも多くて、そのどれもが良くない話ばっかりだ。
JH「誰が信じるの、あんな話」
SC「…さあ」
JH「うちに13人もいるけど、誰も信じてなかったよ」
それ自体がその全てで、答えのはずでしょ。
その声は落ち着いていたけど、何かに訴えかけるみたいに強くはっきりと告げられた言葉は、本心以外のなんでもなかった。
そのとき、今朝に寝室で聞いた "どうかしてる" なんてシュアの言葉を思い出した。
本当に、そうだと思う。
あんなものを信じるなんて、どうかしてる。
無意識に、爪の跡が残りそうなくらい強く掌を握りしめていた。
SC「あいつが誰かに怒ったり怒鳴ったりできるわけないじゃん」
JH「…うん」
SC「俺が今まで出会った中で一番怒るのが下手くそだよ、Aは」
JH「そもそも怒ろうともしないよね」
SC「そう、あいつは、そういうやつだよ」
Aは、昔からそうだった。出会ったときからずっとそうだ。
今までそれが大きく変わったことなんて、一度もないのに。
ひどく不器用で、自分に関心がなくて、適当で、馬鹿みたいに正直な、優しすぎる大嘘つき。
矛盾ばかりのそれにはちゃんと意味があることも、嘘ばかりの言葉の中には本音が混じっていることも、自分はわかっていた。
わかっているはずなのに、どうしてこうも伝わらないのだろう。
おかしいよなって投げかけたら、そうだねって投げ返された静かな声。
誰も何も知らないくせに。あの優しさに、触れたことすらないくせに。
気持ち悪いくらい、何もかも変で。
どうしようもなく、悔しかった。
JH「おかしいと言えばさ」
SC「…うん」
JH「今朝、ドギョミにしっかりしなって言ったばっかりなのにさ」
SC「…」
JH「そうやって言いながら、自分は手の震え隠すのに必死なの」
しっかりするべきは自分なのにって。
笑えるよね、なんて伏せられた目と固く握られた掌。
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をる(プロフ) - Kさん» コメントありがとうございます😭！！拙い文ですが楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。これからも見守っていただけたらと思います、ありがとうございます🙇 (4月3日 19時) (
レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - いつも読ませて頂いております！素敵なお話ありがとうございます。無理なさらずこれからも応援しています☺︎ (4月3日 11時) (レス) @page25 id: 64e289b1e8 (このIDを非表示/違反報告)
をる(プロフ) - こころさん» わー！！コメントありがとうございます😭本当に励みになります、嬉しいです。この先も楽しんでいただけたら幸いです！ (4月3日 2時) (レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 書き方がすごく好みです❤︎これからも楽しみにしています！ (4月3日 2時) (レス) @page25 id: ff02d19e18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：をる | 作成日時：2024年3月25日 3時
