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その唇から訥々と放たれた言葉は揺らいでいて、肩で息をするように動く身体と、ぐっと握られた拳を見た。
そこに募るのは怒りか悲しみか、それとも不安か焦りか、またその別の何かか。
もしかしたらその全部かもしれないけど、ただ強張ったその身体が激動を宿しているのは確かだった。
感情に支配されそうなのを、今にもどうにかなりそうなのを、強く握った掌で何とか留めようとしているみたいな、そんな感じ。
そしたらいきなり手元に何かを押し付けられた。
ひとつは携帯電話で、うまく受け止めきれなかったもうひとつの小さな何かが、指の隙間から滑り落ちて音を立てて床の上に転がる。
目の端に映る煌めくそれは、いつも小指に宿しているはずの、SEVENTEENの証。
鼓動がいやに早まるのを感じていた。
JS「…なに、これ」
SC「リビングに置いてあった。Aのだろ」
JS「……指輪も？」
SC「そうだよ。何処にもいない、靴だけ消えてる」
スンチョリの声が、頭の奥に強く響いた。
何かに打ち付けられたみたいにひどく痛む。頭痛がする。
おかしい。
携帯だけは持ち歩くようにと昔から言い聞かせていたから、わざわざリビングに置いていくなんてことはきっとないはずなのに。
震え始めた手を伸ばして、小さな指輪を拾い上げる。
掌の上で力無く転がる指輪の、鈍い光を目に映した。
胸の奥がざわめいて、鼓動が身体中に響き渡る。
目が回るみたいに全てが眩んで、気が遠のいてしまいそうだった。
故意的に置かれた指輪も携帯も、皺のついた冷たくなった布団も。
わからない。
どうして出て行ったのかも、どんな気持ちで指輪を抜いて、どんな顔をして部屋を出たのかも、自分には何もわからなかった。
JS「……なんで？」
SC「怪物だって。ハクが」
JS「は？」
不意をついて出た声が、自分でも信じられないくらいに怒りを含んでいることに気づいた。
スンチョリからまた別の携帯を手渡される。
その小さな画面には、ネットニュースらしきものが表示されていて。
母親に暴言、疑惑、脱退要求、音声証拠。
目に映る言葉すべてに、視界がぐらりと歪んでいく。
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をる(プロフ) - Kさん» コメントありがとうございます😭！！拙い文ですが楽しんでいただけているようで本当に嬉しいです。これからも見守っていただけたらと思います、ありがとうございます🙇 (4月3日 19時) (
レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - いつも読ませて頂いております！素敵なお話ありがとうございます。無理なさらずこれからも応援しています☺︎ (4月3日 11時) (レス) @page25 id: 64e289b1e8 (このIDを非表示/違反報告)
をる(プロフ) - こころさん» わー！！コメントありがとうございます😭本当に励みになります、嬉しいです。この先も楽しんでいただけたら幸いです！ (4月3日 2時) (レス) id: 8d863670a1 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 書き方がすごく好みです❤︎これからも楽しみにしています！ (4月3日 2時) (レス) @page25 id: ff02d19e18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：をる | 作成日時：2024年3月25日 3時
